コロナウイルスの脅威はまだ去ってはいませんが、沈静化しても基本的な手洗い習慣はぜひ継続してください。いろいろな感染症対策の基本です。

 さて本日は、塩分摂取についてお話しします。塩分を取りすぎてはいけないということは皆さんご存知かと思います。

 しかし、美味しいものには塩分が多いようです。まず高血圧の原因として注意が必要です。血圧が上がれば血管に負担がかかり動脈硬化を助長します。その結果、脳梗塞や脳出血の危険性が上昇します。

 もちろん、心疾患の原因にもなります。意外と知られていないのは骨粗鬆(そしょう)症の助長に繋がりうるということです。

 人間の体内では、塩分濃度(細かくはナトリウム濃度)を一定に保とうとする働きがあります。摂取しすぎると、それを薄めようと水分を摂取するように体が反応します。そのため、塩辛いものを食べると水が欲しくなるのです。

 必要以上の水分を摂取するので排尿も多くなり、この際に余分なナトリウムも出ていくのですが、カルシウムも出て行きます。これがあまり過度になると、カルシウムが不足し、骨がもろくなります。骨粗鬆症が進めば体を支える力が弱くなり、転倒したりする危険も高くなります。

 原因は定かではありませんが、塩分の取りすぎが認知症発症と関連していると指摘する研究者もいます。

 いずれにしても、塩分取りすぎは、いいことでありません。しかし、不足しすぎるのも問題です。病院で塩分摂取過剰と言われて以来、塩分を節制しすぎて意識がもうろうとして倒れて救急搬送されてきた患者さんも見たことがあります。この患者さんには数回栄養指導を受けていただき、現在は適正な塩分濃度で生活できています。

 現在の塩分摂取量が適正かどうかをまず把握しましょう。難しいという場合には栄養士さんの栄養指導をおすすめします。当院では栄養士さんの栄養指導を受けることができます。定期受診と一緒に、もちろん栄養指導だけでも希望があればぜひ当院でご相談ください。(済生会和歌山病院 脳神経外科医長 三木潤一郎)