関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる令和2年分の栃木県内の路線価(1月1日基準)を発表。最高価格地点は「宇都宮駅東口駅前ロータリー」(宇都宮市宮みらい)に移った。再開発の本格化や2年後のLRT(次世代型路面電車)開業が背景。長らく市中心部の「大通り」(馬場通り2丁目)が最高地点だったが、平成以降で初の交代となった。

 県全体の標準宅地(約4900地点)の評価基準額は、前年度比変動率が平均0・3%下落。平成22年以降右肩下がりだが、下げ幅は前年より0・1ポイント縮小した。昨秋の台風19号の被災地域は状況に応じ減価した。

 県不動産鑑定士協会の鈴木健司会長によると、宇都宮市は中心部の地価も堅調だが、駅東口の需要がより強く、供給も限られているため上昇率が大きくなった。鈴木会長は「昨年5月の宇都宮パルコ撤退も要因」と指摘。駅東口ではタイの高級ホテル「デュシタニ」の開業が遅れる見込みとなったが、今回の判断材料にはならなかった。

 佐野、鹿沼、真岡各市は商業地域の分散などから旧市街地の下落が続く。那須塩原市も下落傾向だが、一部で下げ止まりも。一方、小山市は再開発の進む城南地区などで上昇し、高根沢町も区画整理による人口増で需要が堅調という。

 県全体の傾向は「おおむね回復傾向だが、新型コロナウイルスの影響が今後どう現れるか未知数だ」としている。(山沢義徳)