旧日本兵の日章旗、遺族に返還 友人らの寄せ書き記された“お守り”、戦利品として米国に…長い旅と月日経て故郷へ 香川

旧日本兵の日章旗、遺族に返還 友人らの寄せ書き記された“お守り”、戦利品として米国に…長い旅と月日経て故郷へ 香川

 太平洋戦争の戦利品として持ち帰られ、米・ボストン近郊で保管されていた香川県三豊市出身の旧日本陸軍兵長の矢野雅一さんが所有していた日章旗が12日、高松市の県遺族連合会(真鍋賢二会長)の会館で、伯父の孫、矢野博(ひろむ)さん(70)に返還された。

 矢野さんは昭和18年、勤務先の広島県呉市で陸軍歩兵第112連隊に召集された後、独立歩兵第239大隊に転属。19年1月、門司港から釜山を経て中国・山西省に移動し、20年5月に戦死した。

 日章旗は出征時に友人や隣人が武運を祈って寄せ書きした「寄せ書き日の丸」(縦70センチ、横1メートル)で、「贈矢野雅一君」や勤務先の呉郵便局長とその名前など、所有者を特定できる記述のほか、「尽忠」や「武運長久」などの言葉や友人らの名前が墨書きされている。

 高齢で外出が困難な兄弟に代わって日章旗を受け取った博さんは三豊市で建設業を営み、矢野家の墓を守っている。広げた日章旗を見つめて「中国からアメリカ、そしてここまで、長い旅をしたものだ。関係者への感謝でいっぱい。雅一さんもやっとふるさとへ帰れたと喜ぶでしょう」と感慨深い声を漏らし「早く兄弟の元に持ち帰り、今後のことを考えたい」と話していた。

 日章旗の返還は、米・オレゴン州の「OBONソサエティ」(ケイコ・ジーク代表)が7月上旬、同遺族会に受け取りを打診していた。同団体は平成25年から戦利品として海外に流出した寄せ書き日の丸を中心に、戦没者の遺品を遺族に返す取り組みを無償で行っている。矢野さんの日章旗は全国で3件目となる。

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