【関西の議論】漫画「ヒカルの碁」の影響!? 世界に広がる囲碁ワールド 海外の囲碁事情は

【関西の議論】漫画「ヒカルの碁」の影響!? 世界に広がる囲碁ワールド 海外の囲碁事情は

 関西棋院などのプロ棋士とアマチュアの強豪が激突する囲碁の「第14回産経プロアマトーナメント」(産経新聞社・関西棋院 http://kansaikiin.jp/ 共催)。今回のプロ棋士の予選会は、米国やロシア、ウクライナから3人の棋士が参戦した。伝統的に盛んだった東アジア以外の国々でも囲碁が盛んとなり、最近はプロも続々誕生している。囲碁の漫画が各国で刊行された影響もあり、囲碁はワールドワイドな知的スポーツとして世界で親しまれている。

今年のプロアマ戦は初戦敗退

 産経プロアマトーナメントは、プロ棋士、アマチュアでそれぞれ予選会を行い、本戦出場者を決める。プロ棋士は予選会の勝者や前回のベスト4の棋士などを加えた16人が本戦に出場。アマチュアは、予選会を勝ち抜いた勝者と推薦枠などを加えた16人が本戦に出る。

 プロの予選会は10月30日に始まり、計66人が参加。うち3人が欧米のプロで、米国のエリック・ルイ初段(28)、ロシアのイリヤ・シクシン初段(27)、ウクライナのアンドリ・クラヴェツ初段(26)だ。

 ルイ初段は阿部良希二段(21)、シクシン初段は谷口徹三段(21)、クラヴェツ初段は星川航洋三段(28)とそれぞれ対局したが、3人とも初戦で敗退した。

 シクシン初段は「中盤のリードがいかせなかった」と肩を落としたが、「アジアのプロ棋士が参加している世界大会でいつか結果を残したい」と語った。

中国で生まれ、日本で育つ 

 囲碁は約4千年前の中国で誕生したとされるが、諸説ある。日本には、飛鳥時代や奈良時代に伝来したとされ、囲碁はその後日本で育った。海外普及も明治時代以降に日本によって行われた。

 1982(昭和57)年、日本棋院の主導で各国の囲碁協会が参加する国際囲碁連盟が発足した。当時は約30カ国の参加だったが、約30年で倍以上に増え、日本棋院によると、現在は77カ国・地域が加盟している。

 世界の囲碁人口は4千万〜5千万人とされる。大半が伝統的に盛んだった日本、中国、韓国、台湾だ。日本棋院によると、囲碁を題材にした人気漫画「ヒカルの碁」が海外で翻訳本が刊行された約10年前から、欧米を中心に囲碁人気が高まったという。

 これまでプロ制度があったのは日本、中国、韓国、台湾で、プロは計約1600人。2012年に北米で、2014年に欧州でもスタートし、欧米で現在約10人のプロが誕生している。

 欧州では数十年前から毎年、ファンが集まる碁コングレス(集会)が開かれており、昨年からは兵庫県宝塚市でも開催されるようになった。国内外のプロ・アマチュアが一堂に会する人気イベントとして話題を集めている。

 海外での人気が高まるとともに、産経プロアマトーナメントでも、平成26年の11回大会予選に欧州初のプロ棋士となったスロバキアのパボル・リージー初段とイスラエルのアリ・ジャバン初段が参加。本戦進出はならなかったが、ジャバン初段は初戦を突破するなど、実力を発揮した。

 12回大会には4人が参加し、米国のアンディ・リュウ初段が予選を突破し本戦出場を果たした。13回大会も4人が参加し、ウクライナ出身のアーテム・カチャノプスキー初段が本戦に出場。関西棋院の担当者も「欧米の棋士のレベルが年々上がっている」と話している。

ロシアではファン増加

 今回、予選で惜しくも初戦敗退となった欧米の3人の棋士に囲碁を知ったきっかけや魅力について尋ねた。

 ルイ初段は、アマチュア七段の父の影響で5歳のころに碁を始めた。「物の考え方に影響を与えるところが魅力」と話す。

 2016年にプロ入りしたが、対局だけで生活費を稼ぐことはまだまだ難しく、現在はインターネット上や対人で囲碁を教える仕事もしているという。「米国ではまだまだ囲碁は盛んではない。チェスとは比べものにならない」

 国内でプロ棋戦はほとんどなく、海外の大会に出かけることが多い。何度も来日しており、中南米にも遠征した。

 「国ごとによって碁に対する姿勢が違うのがおもしろい。メキシコでは、とてもリラックスした状態で碁を打っていた。できるだけ多くの国に出かけ、満足のいく碁を打ちたい」と話した。

 2015年にプロになったシクシン初段の父も欧州では三段の実力を持つアマチュアで、囲碁を教える仕事をしているという。「ロシアでは、囲碁の人口は増えている。習う子供も多いです」と話す。囲碁の魅力は「自ら計画し、何かを創造する感じが好きだ」と話した。

 クラヴェツ初段は7歳のころ、地元の頭脳スポーツを教えるクラブで囲碁に出合った。「チェスより碁のほうが複雑でおもしろく、はまってしまった」。12歳以下の大会で優勝するほど上達した。今年7カ月にプロ入りした。「20年以上も囲碁をやっていて、プロになるのは必然だった」と淡々と語る。

 「プロになってまだ間もなく、目標は今は考えられない」というが、「世界にはすごく強い人がいて、上には上がいる。上を目指すのが楽しい」と話した。

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