「こーんにーちはー」

 2月中旬、琵琶湖に浮かぶ沖島。滋賀県近江八幡市立沖島小学校の子供たちが、沖合の船に向かって大きく旗を振った。

 滋賀県の小学生は5年になると、学習船「うみのこ」に乗り、琵琶湖をめぐる。船が島近くを通る度に、沖島小の児童は歓迎の意味を込めて湖岸で旗を振る。とりわけ船に沖島小の子供たちが乗るときは、一層旗を振る手に力が入る。

 甲板に手を振り返す仲間たちの姿が見えた。見慣れた顔を改めて見つけるとなんだかうれしくなってくる。6年のゆうかちゃん(12)は「去年船に乗ったのを思い出してなつかしかった。他校の友達ができたのが一番の思い出」。

 この1年、いろいろなことがあった。桜が咲く中での入学式。新しい仲間が1人増えた。夏は琵琶湖で泳いだり、島の漁師さんに郷土食の「ふなずし」の作り方を教わったり。3学期には島の伝統行事、佐儀長(さぎちょう)祭りや島民との交流会もあった。一つ一つの思い出を胸に、子供たちは巣立っていく。

 校舎の前では、菜の花が風にそよぐ。島に春がまたやってきた。