江戸時代から明治にかけて、兵庫県の高砂を拠点に海運業や全国の港湾改修などを手掛けた工楽(くらく)松右衛門3代の業績を紹介した冊子「湊(みなと)とともに−工楽松右衛門と高砂−」を、高砂市教育委員会が発刊した。

 工楽家の初代松右衛門(1743〜1812年)は海運業に携わり、幕府や藩の命を受けて高砂をはじめ択捉(えとろふ)や箱館(函館)、小倉など全国の港を改修したり、帆布(松右衛門帆)や土木作業船、新巻きザケを発明したりして1810年に高砂へ居を構えた。

 2代目(1784〜1850年)や3代目(1814〜1881年)の松右衛門は港や堤の保守に努めたり、新田や新港を開発したりした。工楽家の居宅では文化人の交流も盛んに行われ、文化サロンの場になった。現在は「工楽松右衛門旧宅」として市文化財に指定されている。

 工楽家で保管されてきた1万5千点の古文書(工楽家文書)が平成28年度、市に寄託され、市教委が3年間をかけて調査。この成果を基に今回、歴代松右衛門の活躍や高砂との関わりを冊子にまとめた。

 編集にあたった市教委生涯学習課は「高砂の近代化の礎を築いた3代松右衛門の地元での業績が今回の調査で詳細に分かり、冊子で紹介した」と話している。

 B5判、24ページで千部を制作して関係先に配布。市観光交流ビューローが500部を増刷し、希望者に1部200円で販売している。問い合わせは同課(079・448・8255)。