大相撲春場所千秋楽が22日行われ、朝乃山が貴景勝を下した。

 貴景勝に快勝して今場所を締めくくった朝乃山に吉報が舞い込んできた。臨時理事会の開催が決まり、大関昇進が事実上決まった。「実感はないです。番付発表や伝達式のときにわくんですかね」。マスク越しに、はにかんだ表情が見えた。

 両横綱に連敗して迎えた千秋楽は吹っ切れたような力強さがあった。立ち合い直後はやや押されたが、左まわしを引いて貴景勝を捕まえると形勢逆転。寄った後に体が離れ、その後はまわしにこだわらずに押し続けた。最後は回り込もうとする相手を押し倒した。

 3場所計32勝。昇進の目安とされる33勝には届かなかった。それでも力強い取り口や安定感が高く評価された。境川審判部長代理(元小結両国)は「誰が相手でも堂々としている。相手の力を利用することが一切ない」と昇進理由を説明した。

 188センチ、177キロの恵まれた体に右四つという絶対的な型を持つ。さらに上を狙える逸材だ。「小さい子供やプロの世界に入ってきた子に尊敬される力士になりたい」と朝乃山。無観客という寂しい場所の最後に、明るい希望の光がともった。(浜田慎太郎)