【朴政権崩壊】経済悪化に拍車、泥沼に 大統領選に向け野党は追い風だが危機感も

 【ソウル=名村隆寛】朴槿恵(パク・クネ)前大統領が親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の共犯として取り調べを受けたことで、一連の騒動は新たな節目を迎えた。一方で財界も巻き込んだ事件は、特に停滞する韓国経済に一層の悪影響を与え続けており、経済危機への懸念から早期収拾を求める声が少なくない。

 崔被告への贈賄などの罪で経営トップのサムスン電子副会長、李在鎔(イ・ジョヨン)被告が起訴された最大財閥サムスングループは役員人事や組織改編が停止状態という。韓国紙によれば、昨年末の人事が実施されず内部では不満が高まり、投資事業にも支障が出ている。

 サムスンは昨年、スマートフォンの発火により営業利益が大幅低下したが、経営状態は当時より悪いようだ。崔被告の事件では、サムスンに加えロッテやSKなどの財閥トップも出国禁止となり、他財閥の経営にも影響が出ている。

 経済悪化は今に始まったことではない。消費性向は過去最低で内需は冷え込んでいる。失業者数は過去17年で最多。失業率は5%で2010年以来の高水準。若年層(29〜15歳)の失業率は12・3%に上る。

 また、家計負債額は1300兆ウォン(約130兆円)。カード債務の返済不能の件数、額も増え続けている。生活費の4割以上を借金返済に充てる「限界世帯」は134万世帯に達する。

 韓国経済は朴槿恵政権発足(13年)当初から暗雲が立ちこめ、年ごとに悪化した。朴氏の疑惑浮上からの約5カ月間、財閥関与などの悪材料が加わり、一層泥沼に漬かった状態だ。

 こうした状況は朴氏退陣に情熱を注いだ最大野党「共に民主党」に“追い風”となっている。5月の大統領選の有力候補である同党の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は、世論調査の支持率で独走状態だ。

 ただ、大統領選を前に野党が“朴たたき”を執拗(しつよう)に続けることを戒める声は保守世論の間に強い。韓国が直面する大きな懸案は、経済と北朝鮮問題だ。文氏自身、テレビの公開討論で最大課題に「雇用」を挙げ経済低迷に危機感を示している。

 だが、経済好転にプラス材料はほとんどない。今年の経済見通しを上方修正した日本などと比べ「韓国だけ取り残される」(韓国紙)といった悲観論に合わせるかのように韓国経済は日々、悪化を続けている。

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