田口八重子さん拉致から40年…兄の飯塚繁雄さん「今年こそ最後」の悲壮な決意

田口八重子さん拉致から40年…兄の飯塚繁雄さん「今年こそ最後」の悲壮な決意

 北朝鮮に拉致されて今年で40年となる田口八重子さん(62)=拉致当時(22)=の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(79)が13日、八重子さんの出身地の埼玉県川口市で開かれた集会で講演し「今年は救出を実現する『本当に最後の年』という決意だ」と、悲壮な思いを語った。

 「もう訴える言葉がなくなりました」。講演の冒頭、繁雄さんは悲しげに話した。家族会は昨年の運動方針で「今年中の全被害者の救出」を政府に求めた。家族が老いや病に直面し、時間的猶予がない中、強い決意で「今年中」と初めて期限を区切ったが、願いは結実せず1年が過ぎた。

 今年6月には、八重子さん拉致から40年が経過してしまう。過酷な環境の北朝鮮で救いを待つ被害者の健康を心配する一方、繁雄さん自身も昨年、体調を崩し倒れた。被害者家族の死去も相次ぐ中で「被害者を待つ家族がいなくなってしまう」と焦りをにじませる。

 繁雄さんは昨年、米国のトランプ大統領が国連で北朝鮮の拉致を指弾し、訪日時に家族会と面会したことについて「解決の機運が増している」と評価しつつも、「『雰囲気』にほっとしている猶予はない」と語気を強める。

 ともに講演した八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(40)は、療養中の繁雄さんの様子について「初めて弱音を吐く姿を見た」と明かした。「家族が健康なうちに被害者が帰国するのが真の解決。実現できる猶予は今年しかない」。耕一郎さんは、こう語った。

 繁雄さんは、拉致の事実を知りながら、北朝鮮との関係悪化や困難な対応を恐れ放置した“不作為”が、問題を長期化させたと断じる。「日本自らが具体的成果につなげるべく動いてほしい」。繁雄さんは強いまなざしで政府や政治家の“本気度”を切望しつつ、改めて「今年中の解決」を訴えた。(中村昌史)

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