【ロンドン=板東和正】WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は25日、ジュネーブで記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されたことについて、「厳しくも賢明な決断だった」と評価した。

 テドロス氏は会見で、東京五輪の延期の決定について「選手や観客らの健康を守るために犠牲を払った安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のメンバーに感謝している」とし、「私たちは来年の東京五輪を楽しみにしている」と述べた。

 WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は25日、WHOが東京五輪開催のリスクについてIOCなどに助言してきたとした上で、新型コロナの世界的な流行が「6月から7月にかけても続いているとみられる」と伝えたと明らかにした。ただ、1年程度の延期の決定はあくまでもIOCと日本政府によって行われたと強調した。その上で、「私たちは(延期の)決定を全面的に支持する」とした。

 一方、テドロス氏は、複数の国が新型コロナの感染拡大防止のために踏み切ったロックダウン(都市封鎖)について「国民に自宅にとどまるよう求め、移動を止めることは(感染拡大までの)時間を稼げる」と感染を遅らせる効果があると認めた。ただ、ロックダウンの措置だけでは、新型コロナを「根絶できない」とも指摘。「ウイルスを攻撃する必要がある」と治療法の開発などを急ぐよう各国に呼び掛けた。