9人ゴボウ抜きの下克上人事−。NHKのNO2にあたる新副会長に12日付で、マラソンを趣味とする正籬聡(まさがき・さとる)理事(59)が選ばれ、東京・渋谷の同局で会見した。

 早大政経学部卒。1983年4月に記者として入局し、政治部長、報道局長、広報局長などを歴任。昨年4月に一般企業の役員にあたる理事10人の1人に最年少で選ばれたばかり。今回、1階級上の専務理事4人、他の理事5人の計9人を抜いての大抜てきとなった。任期は3年。

 前副会長の堂元光氏(69)が任期満了に伴い11日付で退任したのを受けた人事で、前田晃伸(てるのぶ)会長(74)の提案をNHK経営委員会が同意。4月から地上波のテレビ番組をインターネットでも配信する常時同時配信が本格的にスタートするのを前に、迅速にさまざまな改革を実行するのにふさわしい人材と判断された。

 正籬氏自身「非常に驚いた。青天の霹靂(へきれき)です」と日焼けした顔を上気させつつ、「一職員であったときと同様、正確で公平公正、自主自律の放送を心がけたい」と決意を新たに。「いつでもどこでも、必要とされる情報を届け、少しでも視聴者のお役に立ちたい」と謙虚に語った。

 局内ではマラソンランナーとして知られる。その経歴と最高タイムを聞かれると、やや顔をほころばせ「10年前にアキレスけんを切り、そのリハビリでランニングを始めた。フルマラソンの最高タイムは昨年3月に出した3時間9分42秒です」と告白。「中高年になっても頑張れば少しずつでもタイムを伸ばせることを知った。限界に近づいているとは思いますが…」と語るもフルマラソンは今後も続ける。

 「今回の一足飛びの人事はマラソンと関係あるか」と聞かれると、「それは会長の判断です」と苦笑。自らの強みについては「体は丈夫ですね。あまり大きな病気をしたことはない。そこは多少、自慢できる」と語った。年齢と経験の割には早いマラソンタイムと同様、さまざまな課題を抱えるNHKの改革をスピード感を持って実行できるか注目だ。