全日本柔道連盟(全柔連)は14日、2020年東京五輪代表選考会の一つ、グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会(21〜23日、ドイツ)の代表選手を発表した。激しい代表争いを繰り広げる男子66キロ級は世界王者の丸山城志郎(26)=ミキハウス、元世界王者の阿部一二三(ひふみ、22)=日体大=の同時派遣を明らかにしたが、3時間後に丸山の欠場を発表。4月の最終選考までもつれる可能性が出てきた。

 新旧世界王者の直接対決は幻に終わった。全柔連はこの日午後2時、五輪代表選考のヤマ場とみられるGSデュッセルドルフ大会の派遣選手を発表した。注目の男子66キロ級は、1番手の丸山と僅差で追う阿部の2人を同時に派遣。しかし、午後5時過ぎに一転、丸山を含む4人の欠場が発表された。

 全柔連によると、丸山は6日に「左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷」の診断を受け、約3週間の安静が必要という。この日、所属先から欠場の連絡を受けた全柔連は最初のエントリー発表に間に合わず、3時間後に修正を出すことになった。

 今大会は、既に五輪代表に内定した女子78キロ超級の素根輝(そね・あきら、19)=環太平洋大=を除く男女計13階級に、選考レースの最有力選手が出場する予定だった。関係者によると、昨年の世界選手権優勝の丸山が制した場合は五輪代表入りが決定的だったという。

 「われわれの目標は東京五輪での金メダル」と井上康生男子監督(41)が常々話すように、全柔連は五輪に向けた準備期間確保のため早期に代表を決めたい意向を持っている。海外のシニア国際大会に、丸山と阿部を初めて同時にエントリーしたのは、激しい代表争いを決着させる狙いがあった。

 昨夏の世界選手権を制した丸山は国内外で5大会連続優勝を飾り、阿部との直接対決も3連勝とリード、1番手に躍り出た。しかし、同11月のGS大阪大会では決勝で阿部が丸山を破り、代表争いで踏みとどまった。

 丸山の欠場を受け、金野潤強化委員長(52)は最終選考会となる4月の全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)までもつれることを示唆。阿部にとってはライバル不在の今大会を制し、その差を詰めたいところだ。

★柔道・東京五輪への道

 日本は開催国枠で男女各7階級に1人ずつ出場する。全日本連盟は準備期間確保のため早期に代表を決めたい意向で、3段階の決定方式を採用した。第1段階では昨夏の世界選手権と昨年11月のGS大阪を制した女子78キロ超級の素根輝(環太平洋大)が内定。第2段階は今大会終了後の今月27日に強化委員会を開き、GS2大会の結果などを踏まえて1、2番手の差が圧倒的に開いていると3分の2以上が判断すれば決定する。4月の全日本選抜体重別選手権(福岡国際センター)が最終選考会。