【テンピ(米アリゾナ州)12日(日本時間13日)】米大リーグはバッテリー組からキャンプインし、エンゼルス・大谷翔平投手(25)がメジャー3年目のシーズンをスタートさせた。一昨年の右肘手術から投打二刀流の復活に向けて“再始動”を果たす中、11日に虚血性心不全で死去した野村克也さん(享年84)に言及。「ストレートに言ってもらえるので勉強になった」と感謝の念を示した。

 青空を見上げ、言葉を探した。野村さんについて聞かれた大谷は率直な思いを表した。

 「感じたことに対してストレートに言ってもらえるので、すごく勉強になった。選手としても成長させてもらえ、感謝しています」

 日本ハムに入団した2013年当時、野村さんは大谷についてサンケイスポーツ評論「ノムラの考え」などで常々「投手一本でいくべきだ」と投打二刀流に否定的な見解を示していた。トークショーでは「プロ野球は甘くない」と口にしたこともある。

 ただ、それも大谷の能力を高く評価していたからこそ。野村さんの指導哲学に「一に無視、二に称賛、三に非難」がある。「非難」の対象は実力を認める限られた選手だけという考え方だ。

 そんな大先輩の言葉を受け止め、前例のないことに挑戦し続けたことで今がある。最後には二刀流への理解も示された大谷は「厳しい意見をいただいたこともありますし、個人的にも対談したときは温かい言葉も掛けていただいた」と故人をしのんだ。

 この日は、そんな二刀流再挑戦の始まりの日でもあった。大谷はバッテリー組のキャンプ初日から二刀流の練習をこなした。ウオーミングアップを終えると、マイナーの施設で打撃練習。これまでより右足を上げた新フォームで振り込む場面も見られた。

 約30分後にはバットをグラブに持ち替え、最長40メートルの距離で50球のキャッチボールを行った。球団から距離や強度、球数が指示されている中「与えられた範囲の中で段取りよくいければ」と5月中旬の2季ぶりの投手復帰を見据えた。

 「一年一年勝負。1年目に少し投げました(10試合に登板)けど、僕の中では(メジャーで)投げていないに等しい」と大谷。天国からの叱咤(しった)も励みに、二刀流の完全復活を目指す。

★免許取った

 運転免許を所持していなかった大谷だが、今キャンプには自らハンドルを握って球場入りした。「手術明けでやることがなかったので(免許を)取りました。(25歳での取得は)まあ普通は遅いと思いますけどね」。11月下旬に試験に合格したそうで「(運転は)怖くはないです。(米国の道は)広いですしね」と笑みを浮かべた。