大相撲初場所3日目(14日、両国国技館、観衆=1万936)2横綱がそろって平幕力士に金星を配給する波乱で、ともに2敗目を喫して黒星が先行した。2連覇を目指す白鵬(34)は妙義龍(33)に突き落とされて2連敗。鶴竜(34)は北勝富士(27)に押し出された。妙義龍は5個目、北勝富士は7個目の金星を獲得。新関脇朝乃山(25)、2横綱に連勝した平幕遠藤(29)は大関豪栄道(33)を破って、ともに3連勝とした。

 土俵の四方から座布団が舞い落ちる。白鵬からすれば、また舞わせてしまった。2日目の遠藤戦に続き、この日も平幕力士に敗れる番狂わせ。黒星を喫して引き揚げる花道奥。テレビの再生画面を厳しい表情で確認した。

 「足が流れたな。それをチェックした…」

 立ち合いの威力がなく、妙義龍の上体は起きない。相手の右差しを嫌って押し合いになったが、相手がその右を一気に抜くと、つっかい棒を外されたように、ばったりと両手をついた。

 白鵬にとって平成30年初場所3、4日目以来2年ぶりとなる連日の金星配給となった。2日目の遠藤戦では2度の上手投げを残され、手の内を読まれていたかのように切り返されて土俵にひっくり返された。背中に張りついた土俵の砂が屈辱ならば、この日の手のひらについた砂は無抵抗の淡泊さを表していた。

 白鵬だけではない。結び前の一番で、悪癖の引き技をみせて北勝富士に押し出された鶴竜も深刻だ。2場所連続休場明けの今場所。序盤戦で黒星が先行した。東京場所前恒例の体重測定では5キロ減の156キロに。「(体が)軽い。それに尽きる。ちょっと痩せすぎ。力が伝わっていない」と浮かない表情をみせた。

 2横綱時代で2人が同じ日に金星を献上するのは平成9年名古屋場所3日目の貴乃花(対蒼樹山)、曙(対貴闘力)以来23年ぶり。このまま白星が伸びないと、両横綱がそろって休場へ追い込まれる危機にも直面する。2横綱が同じ日に休場となれば、4横綱時代の昭和28年初場所3日目の千代ノ山、照国以来67年ぶりとなる。白鵬は「あしたはあしたにならんとね…」と、意味深長な言いまわしでかわした。連覇を狙う34歳が、春の嵐にさらされる。 (奥村展也)

過去1勝20敗と大きく負け越していた白鵬から平成25年初場所以来7年ぶりに金星を挙げた妙義龍「ちょっと驚いた。結びの一番を取れるだけでうれしいし、ましてや白鵬関ですから」