岡山県は15日、2020年度当初予算の各部要求額を発表した。一般会計は7465億1500万円で、前年度当初予算額と比べ1・6%(116億9200万円)の増。西日本豪雨で被災した河川の改良や被災者の生活再建支援といった復旧・復興事業、消費税増税に伴う市町村への交付金の増額などにより過去10年で最大規模となった。

 豪雨関連は、決壊した堤防を元通りにする原形復旧の完了といった要因で61・7%減となったものの、仮設住宅の入居期限を1年延長するための費用や転居助成などに119億3700万円を計上。最終年度となる県政中期行動計画「生き活(い)きプラン」(17〜20年度)の関連は、最重点の教育再生と産業振興をはじめとする69事業に44・6%増の175億3300万円を振り向け、目標達成を目指す。

 主な事業は、EV(電気自動車)の普及に向け、購入企業への助成といった推進事業1億5100万円▽東京五輪・パラリンピックの聖火リレー、機運醸成イベントなど1億400万円▽瀬戸内海の海ごみの実態調査や市町村の回収・処理支援2700万円―など。

 要求の内訳では義務的経費が4・7%増の5402億5千万円に上り、消費増税の影響のほか、非正規職員にボーナスを支給する会計年度任用職員制度の導入などで膨らんだ。公共事業費は0・4%増の743億9400万円で、現行の算定方式となった12年度以降では最大。

 県は知事査定を経て2月中旬に予算案をまとめ、同25日開会予定の定例県議会に提出する。伊原木隆太知事は記者会見で「非常に厳しい制約の中での編成となったが、豪雨からの復旧・復興と生き活きプランの総仕上げに全力で取り組むとの思いに沿った要求になった」と述べた。

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 県の2020年度当初予算要求に盛り込まれた主な事業は次の通り。

 【西日本豪雨関連】ハザードマップに基づく災害廃棄物発生量の推計や、行政、関係団体が連携した仮置き場設置訓練など処理体制強化事業1819万円▽被災した中小企業向け低利融資制度の継続1億1204万円▽被災河川の築堤や護岸整備を進める激甚災害対策特別緊急事業36億9600万円

 【教育再生】小学校高学年における教科担任制導入の研究や、校長経験者らによる学校経営支援など学力向上の取り組み1億2235万円▽別室登校の児童に対する支援員や、専門指導員の各校配置など不登校対策1億1755万円▽大学教育の先取り履修など高校生に高度な学びを提供する仕組みの構築1100万円▽県立高が地域と連携して進める学校の魅力化の拡充1526万円

 【産業振興】県内企業の技術と大学の研究成果とのマッチングを促すコーディネート人材の育成252万円▽海外からの旅行者の増加に向け、レンタカーを利用する外国人への助成など700万円▽首都圏在住の学生を対象にしたアンテナショップでの就職ガイダンスや、県内企業のインターンシップ合同説明会の開催165万円▽ピオーネやオーロラブラックなど主要5品種のブドウ栽培面積拡大に向けた支援拡充3430万円▽捕獲された野生イノシシの検査など国内で感染が広がる豚コレラ(CSF)対策の強化5140万円

 【安心で豊かな地域創造】通学路での子どもの安全確保や犯罪抑止を目的に、市町村が負担する防犯カメラ設置経費の一部補助1300万円▽21年に県内で初めて開かれる中高年のスポーツの祭典「日本スポーツマスターズ」準備経費556万円▽改正健康増進法の周知に向けた受動喫煙防止セミナー開催や啓発資材の作成677万円▽インターネットを利用する「eラーニング」の導入など、保育士の処遇改善に向けたキャリアアップ研修の充実2206万円▽手動操作の樋門(ひもん)の負担軽減策として、水位により自動開閉するフラップゲート化5億7681万円