3月末で閉館する玉野市民会館で22日、最後のコンサートが開かれた。新型コロナウイルス感染防止のため聴衆はいなかったが、元劇団四季団員の合田友紀さん(36)=岡山市=が約60年にわたり市民に愛されてきた“文化の殿堂”への感謝を込めて、ビデオカメラの前で熱唱した。映像は今後、市民会館の代替となる新しい文化施設を考えるための材料として、上映する機会を検討する。

 玉野市玉原出身の合田さんは、幼児のころから「玉野・灘崎子ども劇場」の催しで市民会館を訪れ、小学生から高校生まで所属した玉野少年少女合唱団の定期演奏会では毎年ステージに立った。

 「ふるさと」「花は咲く」と、同級生のピアノ講師守屋裕美さん(36)=同市田井=がこの日のために編曲した「さくら」を、ピアノ、バイオリンのトリオで披露。「新しいホールができて、そこで歌える日を心から楽しみにしている」と呼び掛けた。

 合田さんは「プロになって市民会館で歌うのは初めてで感慨深かった。私が舞台を見てミュージカルを志したように、玉野の子どもたちが本物の歌や劇に触れる場があってほしい」と話した。

 この日はもともと、プロ・アマチュアを結集したサラコンサートを予定していた。感染防止で中止せざるをえなかったが、主催の「玉野みなと芸術フェスタ実行委員会」が将来の市民文化ホールを考える材料として現在の市民会館を記録しようと、合田さんのコンサートを企画。関係者のインタビューも収録した。

 実行委は「中止決定までにチケットが300枚以上売れており、市民会館に思いを持つ人が多いことは分かった」と話し、今後について「玉野にどういうホールが必要か、まず民間レベルで検討を始めたい」としている。今回のコンサート映像も、市民による座談会などの機会を捉えて上映することを考えている。

 チケット払い戻しの問い合わせは実行委(090―5260―9057)。