就実中・高(岡山市北区弓之町)の吹奏楽部が、インターネットで披露している「リモート合奏」の動画が人気だ。新型コロナウイルスによる休校中に部員がそれぞれの自宅などで録画した演奏を組み合わせ、生み出した軽快なハーモニー。公開から約1カ月間で再生回数は3700回を超え、部内には「離れていても心を一つに演奏した。楽しんでもらえているならうれしい」と喜びが広がる。

 同校の吹奏楽部は中高合わせて部員数が118人と県内有数の規模を誇るが、コロナの影響で2月末から活動は休止に。予定していた地域での演奏会や県内外のコンクールなどが軒並みなくなり、特に高校3年生は「最後の年に披露する場が消えてしまい悔しい」と落胆したという。

 活動が大きく制限される中、何とか演奏を聴いてもらうことはできないかと考えたのがリモート合奏だった。

 同じようにコロナ禍で落ち込む人たちを少しでも元気づけたいと、選んだのは米国の歌手ファレル・ウィリアムスさんのヒット曲で、アップテンポな「ハッピー」。トランペットやユーフォニアム、クラリネットといった約20種の楽器を担当する部員は自宅や公園で演奏に取り組み、演奏が難しい部員は「HAPPY」の文字を手にリズムを取り、その様子をスマートフォンを使って撮影した。

 それらの映像を1本の動画(約3分)に仕上げ、5月末に動画サイト・ユーチューブで公開した。サックス担当の高校3年種延ひかりさん(17)は「仲間の音がない演奏は難しく、何度も撮り直したけど、完成した動画を見ると、音が重なり合って一つの曲になる楽しさを改めて実感した」と振り返る。

 部の活動は6月から再開したが、「3密」を避けるため全体練習はなく、学年別での練習が続く。高校3年生にとって最後の舞台となる11月の定期演奏会も開催するかどうか未定のままだが、部長の同3年大知千紗さん(17)は「動画は、こんな状況でもみんなで頑張れたという成果。また全員が集まって本当に合奏できる日を待ちながら、今できることに全力で向き合いたい」と誓った。