福山・田島を「かんきつの島」に

福山・田島を「かんきつの島」に

 人口減少と高齢化が深刻な福山市内海町の田島で、脱サラした地元の男性が、かつて盛んに栽培されていたかんきつ類の畑を再生するプロジェクトに取り組んでいる。約3年前に着手し、耕作放棄地を活用してブラッドオレンジや温州ミカンを既に植栽。規模拡大に向けて一帯を「シトラスの谷」と名付け、賛同者を募りながら“かんきつの島”復活を目指す。 田島などを含む内海町地区の人口は2016年11月現在2638人。ピークの1947年に比べ約6770人減り、高齢化率は47%を超える。農業の後継者不足は深刻化し、島には耕作放棄地が目立つようになった。農林水産省の統計では1980年、内海町地区のかんきつ類の栽培面積は45ヘクタールだったが、2010年には98アールと45分の1に減少。栽培戸数は395戸から5戸になった。 再生を目指しているのは内海町地区の農家「島人(とうじん)ふぁ〜む」の藤原仁智(まさとし)代表(43)。住民から依頼を受けるなどした島内の耕作放棄地約1・2ヘクタールで13年12月に栽培を始めた。当初、地元の園芸会社に勤めながら草木が茂る荒れ地を“開墾”する毎日だったが、本格的に取り組もうと15年3月に退職し、これまでにブラッドオレンジ約20本、温州ミカン約50本を植えた。 プロジェクトにはビニールハウスや農耕具、害獣対策用の柵などをそろえる必要があった。行政の補助金を受け、自己資金も500万円以上を投じる一方、対岸の沼隈町でゲストハウスの立ち上げを進める「tachimachi工房」の倉田敏宏代表(23)からインターネットの「クラウドファンディング」の活用を提案され、16年10月、150万円を目標額に賛同者の募集を始めた。 「島の特産を取り戻すとともに、地域の現状に関心を持ってもらいたかった」と倉田代表。 第1回クラウドファンディングでは目標を上回る約218万円が寄せられ、プロジェクトを手伝いたいという声もあった。寄付者には収穫したかんきつ類を3年間受け取れる木のオーナー権などの返礼を行ったという。 藤原代表によると、かんきつ類は早ければ19年秋以降に順次、収穫できる見込み。生産農家として加工・販売も手掛ける「6次産業化」を目標に将来はドライフルーツ、ジャムなど多様な形で田島の味を広く届ける考えだ。「全国で増える耕作放棄地の現状を知ってもらうため、まずは一人でも多くの人に『シトラスの谷』に目を向けてほしい」と話している。

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