「滴一滴」【山陽新聞】

大量消費時代の現代では、古くなったり故障したりした製品や機械を、修理するより買い替えることが当たり前になった。そんな風潮に待ったをかけるニュースが先日、本紙地方経済面に載っていた▼自動車部品向け金型などを製造する中山鉄工所=倉敷市児島小川=の取り組みだ。最先端の3D(3次元)技術を駆使し、すでに生産や部品供給が終わった古い機械部品を復元する新たな事業に乗り出した▼ねじや歯車などを3Dカメラで撮影。コンピューター上で復元したデータを3Dプリンターなどに読み込ませて複雑な形状でも正確に再現することができる▼倉敷市は児島地区を中心に繊維産業が盛んな土地。きっかけになったのは、生地に昔ながらの風合いを出す旧式織機を修理しながら使い続けている業者の存在だったそうだ▼伝統産品の帆布をつくる老舗メーカー・タケヤリ=同市曽原=もそんな業者の一つ。新型機には出せない味のある超極厚の綿布を織り上げ続けてきたのは半世紀前のベルギー製「シャットル織機」だった。同型機が世界でもほとんど残っていない「社の宝」が、これで命をつなぐ希望がでてきたという▼新しいだけが価値ではない—。そんな風が地場の中小ものづくり企業から吹いてきたことはうれしい。新技術で「古きを生かす文化」の復元もできたらいい。(2017年03月21日08時00分更新)

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