インドネシアの首都・ジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道プロジェクトで4月26日、建設中だった3号トンネルが貫通した。中国メディアの百家号は3日、中国が手掛けるインドネシア高速鉄道計画は、新型コロナウイルスとの戦いに打ち勝ち、工事の建設も順調だと自画自賛する記事を掲載した。

 この高速鉄道建設計画は、中国が日本との受注競争の末、2015年に受注を勝ち取ったプロジェクトだ。中国鉄建(CRCC)はインドネシア国有企業連合との合弁会社を設立させ、翌2016年にはバンドンで起工式を開催したものの、しばらく着工していないと報じられていたが、2018年6月にようやく全面着工となっていた。

 トンネル工事の完成が報じられたところを見ると、その後も工事は進められていたようだ。このトンネルは、ワリニトンネル、5号トンネルに続き3本目に同プロジェクトで貫通したトンネルとなるという。

 記事は、新型コロナウイルスが中国で感染拡大を始めた時期、悩んだ末に中国人作業員は中国に帰らず作業を続行する英断をしたと紹介。適切な防疫措置を取った結果、中国人1000人と地元の作業従事者3000人に新型コロナウイルスの感染はなかったと伝えた。

 中国国内では、新型コロナウイルス感染を受けて経済活動が中断していたことを考えれば、海外での作業続行は英断と感じるのかもしれない。実際、工事を中断すれば遅れが出て大きな圧力となり、続行すれば感染リスクがあるため難しい決断であったことだろう。トラブル続きのこの高速鉄道建設計画が順調であることをアピールしたい狙いもあったのかもしれないが、この緊急時にも工事を止められないほど切迫していた可能性もある。中国としても、海外の高速鉄道輸出には力を入れており、国の威信をかけてもそれだけ成功させたいのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)