「ソン・フンミンは絶対にワールドクラスではありません」
これは、ソン・フンミンの実の父の言葉だ。
ソン・ウンジョン氏は、ソン・フンミンを世界的なサッカー選手に育て上げた父親として有名だ。自身も選手として活躍した彼は、幼い頃から自らソン・フンミンを指導し、ドイツ留学時代も帯同していた。ソン・フンミンのサッカー人生において、絶対に欠かせない人物の一人だ。
ただ、ソン・ウンジョン氏は息子がワールドクラスではないと主張。イングランド・プレミアリーグの得点王になってもだ。
それならば、ソン・ウンジョン氏が考えるワールドクラスとは一体、どのような選手のことなのだろうか。韓国メディア『聯合ニュース』によると、彼は17日にソウルで開かれたインタビュー集『私は読み書きして捨てる』(原題)の出版記者会見で、本人だけのワールドクラス論を明らかにしたという。
ソン・ウンジョン氏は会見で、「ボール一つをよく蹴るからといって、ワールドクラスになれるわけではない。人柄が伴わなければならない」と言及。サッカーの実力はもちろん、それに相応しい人柄まで兼ね備えてこそ、皆から尊敬されるワールドクラスと呼ばれることができるということだ。
「学生時代は反抗児だった」と自らを紹介していたソン・ウンジョン氏は、「幼い頃から、ずっと本を読んでいた」とし、「先生たちは(私を)型にハメようとしたが、何度も飛び出そうとした。その時も勉強の基本は読書だと思った。険しい世の中を乗り越えるためには読書が必要だと判断した。未来を開く鍵は本にあるという確信があった」と述べている。
このような考えを持つが、ソン・フンミンには特に読書を強要しなかったという。「貧乏だけが受け継がれるのではなく、両親の怠惰、勤勉さ、掃除する習慣も受け継がれると考える。どこに行っても、人と人の間で一線を越えない親の姿を見ながら、子どもたちも(そのような態度を)学ぶと思う」と付け加えた。
実際、ソン・フンミンはソン・ウンジョン氏が強調した通り、立派な人柄で皆から愛されている。トッテナムと韓国代表の両方で主将を務めている彼は、温かいリーダーシップでチームをリードしている。年が離れている若手選手も、10年近くともにプレーする同僚も、ソン・フンミンの話が出ると笑みを浮かべるほどだ。
ソン・フンミンの人柄があらわれているエピソードも少なくない。試合後のインタビューでマイクを丁重に扱い、リオ・ファーディナンド氏を驚かせたエピソードや、アウェーゲーム後にピッチ上のゴミを拾って捨てたエピソードが特に有名だ。
トッテナム、韓国のファンだけでなく、世界的にもイメージが良いソン・フンミン。彼は昨年、『Prem Ftbl』の「サッカー界で最も好感のある選手ベスト11」に選ばれたこともある。
ソン・フンミンはすでに、ソン・ウンジョン氏が強調した“人柄”の面でも多くの人にワールドクラスとして認められるようだ。亭厳しい言葉も、愛情の裏返しなのかもしれない。
(記事提供=OSEN)