お城に関する素朴な疑問を、初心者向けにわかりやすく解説する城びとで人気の連載「超入門! お城セミナー」。戦国時代の忍者についてご紹介します。マンガやゲームでの超人的な活躍が人気の忍者は、実際の戦いではどのような活躍をしていたのか? 謎多き忍者の実像に迫ります!

戦国のスパイ・忍者の実像とは?
夜闇に紛れて敵地に忍び込み、煙幕によってドロンと消え、魔法のような忍術を使って任務をこなす──。少年・少女時代にアニメやマンガで忍者を知り、その超人的な力に憧れた人も多いのではないでしょうか。海外でも「NINJA」は大変な人気を誇っており、忍術を学びに来日する外国人も多いのだとか。

しかし、闇の存在である忍者は資料に残りにくく、忍者が使用したとされる忍法も口伝で継承され、文書にまとめられたのは江戸時代以降のこと。そのため、彼らがどのような能力を持ちどのように活躍していたのか、実際のところはよくわかっていないのです。

忍者の起源は、聖徳太子が用いていた「志能備(しのび)」説や天武天皇に仕えた「多胡弥(たこや)」説、役行者説などはっきりとしませんが、古代から権力者たちが情報収集や汚れ仕事などをこなす工作員を使っていたことは間違いないようです。中世に入り合戦が頻発するようになると、こうした諜報活動を専門に行う集団が形成され、忍者集団へと発展していきます。