泰平の象徴として築かれたものの、大火によって失われた江戸城天守を再建するビッグプロジェクトが始動−−! 2019年6月からビッグコミック(小学館)で連載が開始、そして現在は全3巻が発売となっている『江戸城再建』。その作者・黒川清作さんの特別インタビューをお届けします! 前編では、連載がうまれたきっかけや城を描く上での苦労などを、黒川さんと担当編集者の夏目さんにうかがいました。

※インタビュー初出:2019年9月

小さい頃に遊んだ館山城が城の原点です
近年、「城ブーム」の影響もあり、全国で城郭建築の復元・再建をめぐる議論が活発化している。2019年6月に連載がはじまった『江戸城再建』(ビッグコミック/小学館)も、明暦の大火で失われた江戸城天守を現代によみがえらせようという、城の再建を取り扱ったマンガだ。

『江戸城再建』の主人公・堀川は、前代未聞のプロジェクト「江戸城天守再建」に挑むデベロッパー。彼を天守再建に突き動かすのは「城が好き」というアツい想い。堀川の「城好き」の一面は、作者の黒川さんや担当編集者の夏目さんが、歴史好き・城好きであることに由来するという。歴史や城への想いはいつ頃培われたものなのか、お二人にうかがってみた。

(黒川)僕は千葉県館山の出身で近所に館山城があったため、小さいころから城は身近な存在でした。小学校のすぐ上が館山城だったので、よく帰りに寄り道して城跡で遊んだりしていましたね。その頃、館山城に天守が再建され「カッコいいなあ」と感動したことを覚えています。その後しばらくはあまり歴史や城とは縁がなかったのですが、十年ほど前から時代物や歴史物のマンガを読むようになり、歴史や城の魅力にとりつかれました。『江戸城再建』の連載開始前に何本か短編マンガを発表していますが、その題材も歴史物でした。

編集の夏目さんとは連載以前から一緒にお仕事をしていたのですが、彼も歴史好きでよく歴史や城の話に花を咲かせていました。『江戸城再建』連載も、そのご縁でお話をいただいたんです。

(夏目)僕は愛知県豊川市出身で、隣の市には岡崎城などがあり、黒川さん同様幼い頃から城を身近に感じていました。城めぐりにもよく出かけていて、「日本100名城」に選ばれた城はほとんど訪れていると思います。『江戸城再建』は僕が長年温めていた企画だったのですが、黒川さんと歴史の話をする内に、「この人に描いて欲しい!」という想いが募り、企画のお話をさせていただきました。