泰平の象徴として築かれたものの、大火によって失われた江戸城天守を再建するビッグプロジェクトが始動−−! 2019年6月からビッグコミック(小学館)で連載が開始、そして全3巻が発売となっている『江戸城再建』。その作者・黒川清作さんの特別インタビューをお届けします! 後編では、城郭再建・復元に対する想いを中心にお話をうかがっていきましょう。

※インタビュー初出:2019年6月

「失われた天守を見てみたい」という想いからすべてがはじまりました
約350年前に焼失した江戸城の天守再建を現代によみがえらせるというビッグプロジェクトを描く『江戸城再建』。前編に引き続き、作者の黒川清作さんと担当編集者の夏目さんに話を聞いていこう。

歴史マンガや時代マンガで城が登場することはよくあるが、城を建てる、それも復元をメインテーマにしたマンガは今作がはじめてだろう。誰も見たことがない江戸城を再建するという、前代未聞の企画はどのようにして生まれたのか。企画の発端を、まずは夏目さんにうかがった。

(夏目)この連載は、僕が新入社員の時から温めていた企画です。その頃、小学館本社ビルが改修中で、僕は竹橋の仮ビルに通勤していました。そのビルから東御苑を見ているときに、「なぜ天守がないのだろう?」と疑問を感じたんです。ここに江戸城の天守があったら、東京のシンボルとなる光景になるはずだと。調べていく内に技術的に再建が可能だということがわかり、連載マンガとして企画を練りはじめました。黒川さんとは何度かお仕事させていただくことがあって、連載以前から知り合いでした。当時、黒川さんは他社で歴史物を描かれていて、城や人物の表現力が群を抜いていました。そこで、ぜひ黒川さんにお願いしたいと思ったんです。

(黒川)夏目さんから企画をいただいたときは素直に面白そうだと感じて、二つ返事で引き受けることにしました。その後、打ち合わせを重ねて物語の方向性や登場人物の造形などを具体化していきました。『江戸城再建』では、描写のリアルさだけでなく登場人物同士の人間ドラマも見どころです。第3話では、プロジェクトチームのメンバーがそろい踏みとなりました。今後、チームがどのようなドラマを繰り広げていくのか、注目していただければと思っています。