「『インディ・ジョーンズ』で考古学に入って、『MASTERキートン』で今のジャーナリストの道につながった」と語る丸山ゴンザレス氏
「『インディ・ジョーンズ』で考古学に入って、『MASTERキートン』で今のジャーナリストの道につながった」と語る丸山ゴンザレス氏

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies〜その映画が人生を動かす〜』。

今週は『クレイジージャーニー』で一躍、その名をとどろかせた危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレス氏が登場!

* * *

――人生を変えた映画はなんですか?

丸山 パッと思い浮かぶのは2作品あって、ひとつは『インディ・ジョーンズ』シリーズ(1981年〜)。僕は考古学専攻だったので、そこは外せないですね。もうひとつは『スタンド・バイ・ミー』(1986年)。

――まず前者から伺いたいんですが、過去のインタビューを拝見させていただくと、浦沢直樹先生の『MASTERキートン』がものすごくお好きだそうですね。

丸山 大好きです、ほんとに。

――僕も大好きなんですよ! 大学で西洋史学科だったこともあり、浪人生のときに読んで「面白いな」って思いました。

丸山 自分はマンガだけでなく、テレビアニメ版も見ていましたね。振り返ると、『インディ・ジョーンズ』で考古学に入って、『MASTERキートン』で今のジャーナリストの道につながった形なんですよ。

考古学って簡単に言うと、「現場に行って想像力を働かせる」学問なんですね。僕は地味な作業の積み重ねが好きだから、現実とフィクションの間のギャップを感じることもなかったんですけど、もう少し冒険とかアクションとか、そういった要素を感じたかったかもしれないです。

――となると、完全に『MASTERキートン』寄りですよね。殺人事件とか誘拐事件とか起こりますし。

丸山 だから、『MASTERキートン』を地で行くような今の生き方が楽しくて楽しくて(笑)。

――『スタンド・バイ・ミー』はどんなところがお好きなんですか?

丸山 僕を旅に誘うきっかけになったのがこの映画なんです。ただ、この作品だけが独立して存在しているというより、『グーニーズ』(1985年)だとか『天空の城ラピュタ』(1986年)と一緒に、僕の頭の中でひとつのくくりになっています。「スタンド・バイ・ミー的なもの」という感じで。

そうした作品に触れるうちに、漠然と「こういうことがしたいな」と思って、高校時代からひとり旅を始めるんですけど、最初に背中を押してくれたのは『深夜特急』のテレビ版(1996〜98年)でしたね。

――大沢たかおさん主演の。沢木耕太郎さんのほうじゃないんですね?

丸山 もちろん読んではいたんですけど、ハマりきれなくて。映像を見ていて、「やっぱり、これだな」と思ったんです。ただ、逆に言えば『深夜特急』が自分の中ではギリで、そっから先はキツい。例えば、『イントゥ・ザ・ワイルド』(2007年)は出口がないじゃないですか。

――あの作品は実話を基にしていて最後は主人公が死んじゃいますよね。

丸山 自分は生きて戻ってきたいし、目的を持って旅したい。実際、長旅してる人の話って最後まで面白く聞けなかったりするんですよね......。旅に目的やテーマを設定して、行って帰ってきて発表するスタイルのほうが、エンターテインメント性があって面白いと思うんですよ。

――それって『スタンド・バイ・ミー』も同じですね! 一夜の旅の物語だし、行って帰ってくる。

丸山 そうなんです。『スタンド・バイ・ミー』って劇中で経過した時間そのものは短いけど、しっかり旅なんですよ。

★後編⇒角田陽一郎×丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)「TBSをダマし討ちして『メキシコ麻薬戦争』を取材

●丸山ゴンザレス(MARUYAMA GONZARES)
1977年生まれ、宮城県出身。国内外の裏社会や危険地帯の取材を続けるジャーナリスト。國學院大學学術資料センター共同研究員

■『世界の混沌カオスを歩く ダークツーリスト』(講談社文庫)

構成/テクモトテク 撮影/関根弘康