猫には繁殖期があり、春先から夏にかけて子猫が多く生まれる。この時期になると、望まれずして生まれた子猫たちが捨てられ、行政施設に持ち込まれ、大量の子猫たちが殺処分されることになる。同時に保護団体への相談も増え、保護猫カフェねこかつにも連日相談が持ち込まれる。

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「保護した猫を引き取ってほしい」

「子猫を保護したんですけど、引き取ってもらうことはできないでしょうか」。そんな電話が日に何本もかかってくるようになる。

 しかし、普段から収容能力いっぱいの猫を保護しているうえに、行政施設からの引き取りも増えざるをえない。したがって、なかなかご希望に添うことはできない。

 すると、必ずといっていいほど、次の質問が飛んでくる。

「では、他に保護してくれるところを紹介してもらえないでしょうか」。どこの保護団体も同じような状況なので、紹介できるところもない。

「では、どうすればいいんですか」。怒りと困惑の交じった質問が続くことになる。

「飼い主さん探しの方法をお教えしますので、ご自身でがんばっていただくことはできませんか」。そうお願いすると、また必ずといっていいほど、同じ答えが返ってくることになる。

「飼い主さんなんて見つかるわけがない」

 たしかに、猫の新たな飼い主さんを探すことは容易ではない。しかし、子猫であれば、比較的簡単に飼い主さんを見つけることができる場合がある。

「ちゃんとやっていただければ、子猫の飼い主は見つかります。助けたければやってみていただけないでしょうか。お願いします」。再度こちらから、お願いするようにしている。

3人から譲渡希望があった!

 そうして、半信半疑ながらも、飼い主さん探しをしていただいた方から、報告のメールや電話をいただくことがある。

 捨てられていた子猫1匹をなんとかしてあげたいと心を痛めながらも、飼い主さんを見つけることは難しいと考え、保護を躊躇されていた方からのご相談。お家の中に保護してあげた上で、飼い主さん探しをしてあげてくださいとお願いした。

「教えていただいた2つのホームページに、昨日飼い主さん募集の掲載をしました。すると本当にすぐに反応があり、今のところ3人の方から希望を頂いています。決まる訳がないと思い込んでいたのでまさかこんなにも反響があるとは思いもしませんでした。よく考え、1番幸せにしてもらえる飼い主さんを選びたいと思います。『為せば成る、為さねば成らぬ何事も』と満足感と自信を持つことが出来ました。ありがとうございました」

6匹保護「譲渡先がみつかった」

 次の方は、お子様が子猫6匹を拾ってきて、以下のようなご相談をいただいた。

「昨日子供が子猫を6匹保護してきました。私の家で飼うのは無理で、出来るだけ周囲にもあたりましたが、引き取り手が見あたりません。そこで、そちらで引き取っては頂けないでしょうか?また、不可能な場合、どのように対応したら良いかアドバイスをいただけると幸いです」

 この方には、子猫を保護してくれたお子様にお礼を述べたうえで、飼い主さん探しの方法をアドバイスした。

 6匹はちょっと多いかなとも考えたので、飼い主さんが見つからない子猫がいた場合は、ねこかつで引き受けることも検討するので、がんばってくださいとも付け加えた。

 すると3日後に、以下のメールをいただいた。

「先日は、相談にのっていただきありがとうございました。電話で教えて頂いた飼い主募集のホームページで、無事飼い主さんが見つかりました。ありがとうございました」

できればまず動物病院へ

 ここからは、私がいつもしているアドバイスの内容を紹介したい。

 たとえば、あなたが近い将来、子猫を保護したとしよう。健康状態に問題なさそうでも、できれば獣医さんに連れて行ってあげて欲しいなと思う。外にいた子であれば、ノミがついているかもしれない。フロントラインなどの簡易なノミ取り薬が獣医さんにある。

 飼い主さん探しを常時しているボランティアさんなどは、検便をしたりワクチンを打ったりウイルス検査をしたりするが、はじめて子猫を保護した方などはそこまでする必要はないと思う。

 そして、猫を飼いたい人がいないか、友人・知人をあたってみよう。公民館や獣医さんやスーパーなどは、飼い主さん探しのポスターをはってくれるところが多いので、頼んでみよう。

ネットで飼い主さん探し

 今はインターネット上で飼い主さんを探すホームページがたくさんあり、多くの譲渡が行われている。友人・知人にあたってみるのと同時に、飼い主さん探しのホームページに飼い主さん募集の記事を投稿しよう。

 ホームページへの投稿は、非常に簡単な作業で、5分〜10分もあれば終わるし、無料で利用できる。

「猫 飼い主募集」などで検索すれば、たくさんのホームページが見つかる。

 簡単な作業なので、多くのホームページに投稿して欲しいところだが、その中でも利用者が多い、次の2つのサイトには必ず投稿して欲しい。

いつでも里親募集中

ペットのおうち

 インターネットでの募集は、写真で判断されてしまうので、できるだけかわいく写真を撮ってあげてることもポイントだ。

譲渡先で猫が幸せになれそうか

「インターネットで探すのは不安」「どんな人に譲渡すればよいのかわからない」というご相談も受けることがある。

 インターネットで探すのが不安だから保護しない、「保護しない=死んでしまう」では本末転倒な気がする。

 どのような人に譲渡すれば良いのかわからない、という場合には、「この人に猫を託しても、幸せにならないだろうな、と思う方にはお渡ししないでください」とお答えしている。

 先着順で譲渡する必要はなく、この方にお願いしたいと思える方が現れるまで待っても、子猫であればご縁につながる。

 不安が残る譲渡をしないためには、以下のようなことをしてみると良いと思う。

1 飼い主希望者さん宅に、直接猫を届ける。
2 近隣の方に限定する。
3 家族構成や住宅環境などを考慮する。

やってみることで助かる命

 たくさんは無理でも、目の前の子猫を救うことくらいであれば、思っていたよりも簡単にできるはず。

 現在は保護猫カフェを運営し、各地で譲渡会を開くようになった私も、以前は猫の飼い主さん探しなんて無理だと思い込んでいたひとりだった。プレーヤーが増えれば、助かる命はそれだけ増える。ちょっとやってみることで、助かる命がたくさんあるのだ。