「春眠暁を覚えず」という言葉があるように、暖かくなってきた春先に寝過ごしてしまうこと、ありますよね。でもそれって人間だけなのでしょうか?犬も眠くなるの?そこで、プーアル動物病院(東京都)院長の小野祐新獣医師に「犬の睡眠」についてお話を伺いました。

寝る時間には暗くする習慣を

――犬も、春は寝心地がよいのでしょうか?

 特に犬が「春時期は眠くなる」というようなことはないですね。季節繁殖動物(馬、羊、ヤギなど)は多少季節と睡眠に関係がありますが、基本的に犬は睡眠と季節は関係ないと言われています。

 ただ、明暗順応はあります。日が長くなれば、朝起きるのも早くなりますし、日が短いときは起きるのも遅くなりますよね。

 季節というより、犬が快適な睡眠をとれるように、日が落ちて暗くなったら寝るように、コントロールしてあげることは大切なことです。

――どのようにコントロールするのでしょう?

 寝る時間になったら、ケージに入れて布をかけて暗くするのがいいですね。飼い主が夜更かしだと、犬も同じように夜更かしになってしまいます。睡眠物質の「メラトニン」がきちんと出るように、寝る時間になったら、ケージに入れて、電気を消したり、カバーをかけたりすることを習慣づけるのが大切です。

犬の体に負担がないベッドを

――犬が快適な睡眠を取るために、どのような環境が適しているのでしょう?

 あまり乾燥していると良くないですね。特に冬場など湿度が低い時期は、皮膚にかゆみが出て、犬も人間同様、不快に感じます。また乾燥していると、ハウスダストが舞ったり、ウイルスなども飛散したりしやすくなります。加湿器の使用をお勧めしています。

 犬にとって、快適な湿度は50〜60%と言われています。そして、室温の調整も大切です。特に暑すぎるのは犬にとって大敵です。クールビズでオフィスなどでは28度が推奨されていますけれども、犬にとっては28度だと暑すぎですね。冷房時の室温は24〜25度くらいが良いでしょう。

 特に夏場は脱水症が怖いですよね。脱水症にならないよう、犬にとって、快適な湿度と温度をキープするよう心がけてくださいね。

――犬のために、どんなベッドを選べばよいでしょうか?

 固すぎるベッド(クッション)は床ずれの原因になりますので、お勧めできません。軟らかい、犬の体に負担のないものがいいですね。低反発のベッドなども犬が快適に寝られると思います。

 犬は1日平均14時間寝ているのですが、シニア犬になると、もっと睡眠時間が長くなります。シニア犬は、特に床ずれの心配がありますので、硬い床、フローリングの上などではなく、犬にやさしいベッドを選んであげましょう。

 睡眠は、犬の健康維持にとても大切です。部屋の湿度、温度、明るさ、ベッドなど、飼い主が「愛犬の快適な睡眠のためにできること」をすぐに実践してみてはいかがでしょうか?

監修:
小野祐新先生
プーアル動物病院 院長・獣医師。東京・文京区にあるアットホームな動物病院。動物用サプリの臨床研究も行っている。飼い主さんの話をよく聞き、それぞれのペットのライフスタイルに合った獣医療を日々研鑽中。