前々回
は、1歳の娘がサビ猫の「あんず」に初めてオヤツをあげることに成功したお話をさせてもらいました。あれからというもの、私があんずにオヤツをあげようとするたび、娘は「ママ!!(何かしたいときは全てママと言う)」と大声で主張するようになり、1日1度、娘があんずにオヤツを与えるのが日課になっていました。

(末尾に写真特集があります)

オヤツの与え方が進化した!

 数日すると、娘のオヤツのやり方に進化が見られました。

 最初の2〜3日は、あんずがオヤツのにぼしをペロペロするのが楽しくて、娘はにぼしをなかなか放そうとしませんでした。しかし、“あんずは、手に持ったままでは食べない”ことを学習したのか、“すぐ食べさせてあげたい”と考えるようになったのか、あんずが娘のそばに来ると、すぐににぼしを床に置くようになりました。

 すると、あんずはにぼしのにおいをクンクンかいでパクつきます。娘は喜び、あんずが食べ始めると、すぐに「ママ!!」と言い、追加のにぼしを欲しがります。

 あんずが食べているところを見て楽しんでくれたら良いのに、与えることが楽しいようです。

「そんなにたくさんオヤツあげられないよ。あとは明日ね」

 と言うと、最初は怒っていましたが、次第に理解できるようになってきました。

 あんずの1日の楽しみは、朝:朝ごはん、昼:昼寝、夕方:オヤツ、夜:遊び。その中の一つを娘が担当するというのは、かなり大きな意味があります。(ちなみに、昼寝の担当は相棒猫の「モモ」なのか?)

 娘とあんずが仲良くなるための、大きな1歩を踏み出したと言えます。

もっと猫と仲良くなりたい娘

 今まではそうそう同じ時間を過ごす機会のなかったあんずと娘ですが、1日1回、オヤツの時間に触れ合うようになりました。とはいえ、それ以外は相変わらずで、なかなか距離が縮まることはありません。

 しかし、あんずともっと仲良くなりたい気持ちが一層強まった娘。オヤツをあげれば仲良くなれる、でもオヤツはたくさんあげられない……。そう考えたかどうかは分かりませんが、次の手段を講じました。

 キャットタワーの低い場所にいたあんずの前に、娘は自分の好きなおもちゃを置いたのです。

 そのおもちゃは、絵本にマジックテープでつけるタイプのイチゴ、みかん、バナナの絵が描かれた果物ワッペン。

 我が家にマジックテープでつけた果物を刈り取るような遊びがでる絵本があり、最後に「いただきまーす」と、果物を食べるおままごとをすることができます。

 娘はその絵本が大好きで、果物のワッペンを食べるマネをして、最終的には端っこをモグモグ食べてしまいます。

 つまり、娘にとっては、果物のワッペンは食べ物と同意であり、かつ楽しさを与えてくれるもの。あんずにあげれば喜ぶかも! もっとあんずと仲良くなれる! と考えたようなのです。

 しかし、あんずは果物を食べません。いや、そもそも果物などではなく、ただのワッペンなのですが……。

幼子や母の気持ちなどくみ取れない

 目の前にワッペンを置かれて、困惑するあんず。遊ぼうにも、ペラペラなので、猫にすれば楽しくもなんともありません。完全に白けている様子です。

 一方、「良いことを思いついた!」的なキラキラした瞳であんずを見つめる娘。

 どちらの気持ちも分かるけれど、この2人の溝を飼い主の立場、母の立場からどう埋めるべきか……。

「あんちゃんにイチゴとバナナあげたの? えらいね〜。あんちゃん、良かったねぇ……」

 と娘に言いつつ、目では“あんずよ、幼子に付き合ってくれ”と訴えました。なんだかんだで、あんずは8歳のお姉さんですからね。

 しかし、そこは猫。幼子の気持ちも、母の気持ちもくみ取りません。

 あんずは困惑しながら、キャットタワーの上部へ上がっていってしまいました。そのマイペースさこそ、猫の良いところなので、良いのです、これで……。

 上に行かれてしまっては、娘はどうすることもできないので、さっさと諦めて別の遊びを始めていました。

 あんずのオヤツ好きのおかげで、距離が縮まったあんずと娘ですが、食べ物がからまない遊びをするようになるのは、まだまだ先になりそうです。

(ヤスダユキ)