影山直美さん新刊「福と幸せをよぶ 妖怪さんと柴犬さん」

 柴犬をモチーフにしたイラストやエッセイが人気の影山直美さんによるWeb連載「福と幸せをよぶ 妖怪さんと柴犬さん」(辰巳出版)が一冊の本になった。

(末尾に写真特集があります)

「アマビエ」だけじゃない縁起のいい妖怪たち

 なぜに妖怪と柴犬の組み合わせ……?というのも、始まりはコロナ渦で話題になった、その姿を描いて人々に見せることで疫病退散のご利益があるとされる妖怪「アマビエ」の存在。影山さんが描いたアマビエをSNSにアップすると、それを見た編集者から声がかかり、連載へとつながった。

影山直美さん新刊「福と幸せをよぶ 妖怪さんと柴犬さん」より「アマビエ」

 もともと妖怪に興味があった影山さん。深く調べてみると、疫病退散のご利益がある妖怪は、アマビエ以外にもいることを発見する。さらに、日頃から愛犬たちの不思議な行動を見て「あのコたちは何か(お化けとか妖怪とか)見えるんじゃないか」と感じていたことや、日本古来より伝わる妖怪と日本犬である柴犬は、昔から仲がいいかも?といった妄想も相まって、愛犬の柴犬たちも登場するエッセイ要素を交えた連載が始まった。

 同書には、Webサイト「Shi-Ba」プラス犬びよりで連載していた作品と、日本犬専門誌「Shi-Ba」で掲載した作品に加筆・修正、描き下ろし作品も満載だ。福や幸せをよびこんでくれる、縁起のいい妖怪さんが20体掲載されている。

 妖怪のメインイラスト作品はすべて水彩画で、色使いが美しい。妖怪の絵には、それぞれしおり風の紐が描かれていて、妖怪ごとに違うなどの細かい部分も見どころ。

「毛太郎(犬の抜け毛でできた妖怪)」など、影山さんが考えたオリジナル妖怪の数々は、かわいらしくて存在感も抜群だ。

影山直美さんのオリジナル妖怪たち

「妖怪のせいだと思えば納得」

 同書について、2匹の柴犬と暮らす影山直美さんにお話を聞いた。

――妖怪が好きになったきっかけを教えてください。

「子どもの頃、大人から『夕方遅くまで遊んでいると天狗に連れて行かれるよ』とか『川の深いところには河童がいるから近づくな』などと言われており、きっと妖怪はいると信じていました。妖怪を好きになったというよりは『否定しなかった』という感じでしょうか。ちなみに魔法使いにも憧れましたし、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』も好きでよく見ていました」

――影山さんのオリジナル妖怪の発想が楽しいです。

「以前から、名前まではつけませんでしたが、『こんなのいたらいいな』とか『妖怪のせいだと思えば納得』というようなことはありました。今回の本で、それを表現できて大変嬉しいです!」

――書籍の中で、オリジナルも含めてイチオシの妖怪はありますか?

「敬意を表して『瓢箪小僧』(P76、魔物や病を吸い込んでくれる瓢箪形の妖怪)ですかね。あんなに悪いものを吸い込んでくれるなんて……。あとオリジナル妖怪では『青草侍(あおくさざむらい)(P95、散歩道で犬に人気の草、食べ過ぎると……)』。愛犬が散歩中に草を食べ過ぎたら、この話をして注意してやろうと思います」

影山直美さん新刊「福と幸せをよぶ 妖怪さんと柴犬さん」より「瓢簞小僧」

――この連載を続けるなかで、新たな発見や感じたことを教えてください。

「昔の人は想像力が豊かだったんだなぁと感心しました。主に江戸時代から伝わる妖怪ですが、言い伝えられていたことを絵にした人、それを残してくれた人に感謝します。

 ただ妖怪の数は多過ぎて、おもしろそうなのに情報が少ないものもいっぱい。それを形にするのは楽しい作業でしたが、私がそこまで描いちゃっていいのかな?とやや不安も。それと、400年後に私のオリジナルの『青草侍』が定説になっていたらどうしよう、なんて(笑)」

――影山さんにとって、愛犬たちはどんな存在ですか? これから、どのように暮らしていきたいと考えますか?

「支えたり支えられたり。かけがえのない存在です。1日1日の積み重ねを大切にして、お互い笑顔で暮らしていきたいです」

影山直美さん新刊「福と幸せをよぶ 妖怪さんと柴犬さん」より「犬面樹」

何度読んでもほっこりする本

 同書について、編集者におすすめコメントを聞いた。

「こんな妖怪がいたんだ〜!という新鮮な驚きを与えてくれる本書です。また、影山さんが愛犬と暮らす上で想像上創り出した妖怪たちのユーモラスな表情や行動、そして柴犬たちの様子がなんとも微笑ましく、何度読んでも心がほっこりする内容になっています。ぜひお子さん方にも読んで欲しい1冊です」

福と幸せをよぶ 妖怪さんと柴犬さん
著者:影山直美
出版社:辰巳出版
サイズ:21cm/111P
価格:1,200円+税
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