外国人選手の半数以上が1年で去る韓国Kリーグ…その理由と改善策とは

外国人選手の半数以上が1年で去る韓国Kリーグ…その理由と改善策とは

興味深い数字が明らかになった。韓国プロサッカー連盟がKリーグ・アカデミーの新プログラムを先日発表したときに、さり気なく明らかになった数字だ。

Kリーグは2月12日、今季のKリーグ・アカデミーの内容を発表。以前、本欄でも紹介した通り、Kリーグでは今季から引退後のセカンドキャリアを準備・支援するための課程も設けることが正式発表さたれたのだが、併せてもうひとつ、新たな教育プログラムを実施するという。

韓国にやってきた外国人選手を対象にしたセミナーがそれなのだが、その導入背景として紹介された数字が興味深かった。

元日本代表Kリーガーも

プロリーグがスタートした1983年から昨年までの35年間で、Kリーグでプレーした外国人選手はのべ815名。そのうち、516名の選手が在籍1年以内で韓国を離れているというのだ。

パーセンテートにして約63%。定着率は決して高くない。

参考までにKリーグに進出するも1年以内で韓国を去った選手を調べてみると、古くは戸田和幸、最近では阿部拓馬、安田理大などがいる。

レンタル移籍での韓国進出だったが、高原直泰、家長昭博、豊田陽平も数カ月でKリーグを離れている。前出の数字には韓国に渡った日本人選手たちも含まれているといえるだろう。

なぜ、Kリーグにやってきた外国人選手は定着しないのか。契約条件などもあるだろうが、ひとつはKリーグをステップにほかのリーグに進出するからだろう。

2007年に慶南FCに加入したブラジル人FWカボレはKリーグ1年目でいきなり得点王に輝くも、翌年にはFC東京に移籍。昨季Kリーグで得点王、ベストイレブン、MVPの3冠達成で大ブレイクしたブラジル人FWマルコンも、今季は中国進出が濃厚とされている。


より良い条件を求める選手を引き留める資金力という点で日本や中国に対抗できず、「Kリーグはセーリングリーグ」になったと危惧する声もあるほどだ。

渡邉大剛も「あまりにも違いすぎる」

韓国での生活面や文化面に馴染めず、Kリーグを去ったケースもあるだろう。

南米やヨーロッパの選手が食生活から生活習慣まで異なる東アジアに馴染むのは簡単ではない。まして同じ東アジア圏の日本人選手でさえ戸惑うことがあるのだ。

かつてKリーグの釜山アイパークに所属した渡邉大剛も移籍当初、「難しいところに来てしまったな、というのが正直なところですね。日本のJリーグとすべてがあまりに違いすぎます」と漏らしていたと聞く。

そうしたカルチャーギャップのせいで、なかなか韓国に適応できない外国人選手がいてもおかしくはない。

ただ、爆買いとはいわないまでも、せっかく移籍金や高額な年俸を用意して獲得した外国人選手が、韓国に馴染めず1年そこそこで他国に移ってしまっては費用対効果も悪いというのが韓国の見方だ。

Kリーグの外国人選手の平均年俸は、韓国人選手のそれよりもはるかに高いとされているだけに、Kリーグ関係者の中には「非効率だ」という意見もあるらしい。

そこでKリーグが今季から取り組むのが、「Kリーグ・アカデミー外国人選手課程」だという。

今季Kリーグでプレーする外国人選手を対象に、韓国の文化や礼儀作法、健康管理法などを教えるという。韓国語で自分の名を書けるような体験講座もあるらしい。

そうすることで、Kリーグにやってきた外国人選手たちが韓国文化を理解し適応し、ホームシックや孤独を味わうことなく、持てる力を発揮できるよう助けるのが今回のアカデミーの目的だというが、はたして。今回の新設アカデミーがどんな効果を生むかは気になるところだ。

ちなみにJリーグには選手として日本で現役生活を送ったあと、数年後には監督として日本に戻って来る外国人選手も多いが、Kリーグでは30年の歴史の中でわずか1人しかない。

アンドレの登録名で2000年から2002年まで安養LG(現在のFCソウル)のMFとして活躍し、2017年シーズン途中から大邱FCを率いるブラジル出身のアンドレ・ルイス・アウベス・サントス監督がその人だ。

今回の取り組みで外国人選手が定着し、Kリーグでもいつか日本人監督が誕生すれば面白いと思うのだが。

(文=慎 武宏)


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