韓国では先祖が悪く描かれると子孫たちがテレビ局に怒鳴りこんでくる!

韓国では先祖が悪く描かれると子孫たちがテレビ局に怒鳴りこんでくる!

韓国で時代劇に自分の先祖が出たとする。

とてもいい役だった場合は子孫もうれしいだろうが、逆にひどい悪役だったときには、子孫がカンカンに怒ってテレビ局に抗議してくる。

それは、韓国ではよくある話だ。


たとえば、パク・シフとムン・チェウォンが主演したドラマ『王女の男』。

韓国で大ヒットしたが、登場人物の1人の申叔舟(シン・スクチュ)が裏切り者として描かれていた。

そのことに子孫たちが激怒し、放送したKBSに猛烈な抗議をした。

抗議を受けたプロデューサーはこう語っている。

「もともと、時代劇の登場人物には慎重を期さなければなりません。特に、実在した歴史的な人物なら、子孫が大勢いるので、名誉棄損になるかもしれません。

現に、『王女の男』を制作したときに、子孫たちから強い抗議がありました。私たちと真偽をめぐって大変な攻防となったのです」

韓国には感情的な人が多いから、プロデューサーも大きな声で怒鳴られて、さぞ困惑したことだろう。

KBSのプロデューサーがさらに続けてこう言う。


「歴史の史料にこう書いてある、と私たちは証拠を出しました。つまり、古い歴史解説書の真偽まで判別しなければならなかったのです。

子孫たちは“その歴史書で我が先祖の申叔舟を間違って描いたのが影響している。なぜそんなものを参考にしているのか”とさらに執拗に抗議してきました。

私たちも正式な歴史書である『朝鮮王朝実録』まで提示しながら、主張を曲げませんでした。本当に子孫を説得するのが大変でした」

制作予算のことで頭が痛いはずのプロデューサー。

子孫対策までしなければいけないのだから、韓国の制作陣は苦労が多い。

韓国の“子孫”たちが怒る背景

これもすべて、視聴者が誰か有名な歴史人物の子孫たちだからだ。

制作側は、より面白くするために極端な悪役や面白い道化役の人を作ったりするが、先祖がそういう役回りをさせられると子孫たちが絶対に黙っていない。

日本では、悪役になった人の子孫がテレビ局に怒鳴りこんだという話はほとんど聞いたことがない。

しかし、韓国ではよくある話だ。『族譜(チョッポ)』という膨大な家系書が各家庭にあって、自分たちの先祖のことを詳しく知っているからである。

よほどの名門でないかぎり、日本では何百年も前の先祖のことはわからない。

一方の韓国では誰もが、自分の先祖にどんな人がいたのかがわかっている。

そんな先祖を時代劇に登場させるときは、韓国のテレビ局もよほど慎重に人物設定をしなければならない。

(文=康熙奉)

康 熙奉(カン・ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化や日韓関係を描いた著作が多い。主な著書は『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。


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