韓国の国防白書が新たな日韓関係の火種に…「北朝鮮は敵」を排除し、浮上するのは日本?

韓国の国防白書が新たな日韓関係の火種に…「北朝鮮は敵」を排除し、浮上するのは日本?

レーダー照射問題や元徴用工問題などで日韓関係がぎくしゃくするなか、韓国政府が発表した2018年版「国防白書」が話題を集めている。

前回(2016年版)まで記述されていた「韓日両国は自由民主主義と市場経済の基本価値を共有している」という表現が消えたのだ。

ただ韓国で注目を集めているのは、日本に対する表現よりも、「北朝鮮は敵」という記述が削除されたことである。

韓国メディアでも、「文政権初の国防白書で“北朝鮮は敵”削除」(『朝鮮日報』)、「国防白書“北朝鮮は敵”を消し、“日本は基本価値を共有”削除した」(『中央日報』)、「文在寅政権、初の国防白書“北朝鮮は敵”という表現が消えた」(『TV朝鮮』)といった見出しが並んでいる。

韓国の国防白書において北朝鮮に対する表現は、これまでも変化してきた。

韓国国防白書は1967年から発刊されているのだが、1995年に初めて「主敵」という表現が使われた。その後2000年まで、北朝鮮は韓国の“主敵”であった。

しかし2000年の南北首脳会談などが契機となり、2004年版国防白書では「直接的な軍事脅威」という表現に。その後、保守政権となった2010年版で再び「敵」となり、それが2016年版まで続いた。

今回の2018年版では「北朝鮮の大量破壊兵器は朝鮮半島の平和と安定に対する脅威である」といった記述にとどまっており、「敵」という表現は消えている。

「北朝鮮は敵」という表現を消した文在寅政権の国防白書に激しく反発しているのは、他でもなく韓国の野党だ。

北ではないのなら韓国の“敵”とは?

自由韓国党のペ・ヒョンジンは、「敵もいないのに貴重な男子たちを徴兵するのはなぜだ」と冷静なツッコミを入れた。また同党ユン・サンヒョンは、「高いところから書けと言われた通りに書いた丸写し白書」と一蹴した。

韓国ネット民たちも、「たしかに敵は北ではなく文在寅だ」「敵は内側にいるからね」「北に攻め込まれて数百万人が死んで今の休戦状態なのに」「徴兵は廃止でいいな」「北朝鮮に騙されすぎ」といったコメントを残している。

それにしても韓国の“敵”が北朝鮮でないとなると、誰が敵なのか。

韓国政府の2018年版国防白書には、「私たちの軍は大韓民国の主権、国土、国民、財産を脅かし侵害する勢力を敵と見なす」と書かれている。特定の国家や地域ではなく、より広く柔軟に“敵”を想定しているような表現だ。

そうなると「基本価値を共有」という表現を消した日本に、自然と目がいく。

韓国で最も信頼の厚いメディアといえる『JTBC』も、北朝鮮は敵という表現が消えたことを伝えながら、「周辺国との関係地形にもいくつか変化がある。軍事協力を記述した順序で日本は順位を後ろに押された」と強調している。

まさかとは思うが、現在の日韓関係を踏まえると…。いずれにしても韓国の2018年版国防白書は新たな日韓関係の火種になりそうだ。

(文=S-KOREA編集部)


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