【川崎】昨季の教訓を活かした快勝劇も本当の意味でのリベンジ達成ではない

【川崎】昨季の教訓を活かした快勝劇も本当の意味でのリベンジ達成ではない


[J1リーグ12節]鹿島 0-3 川崎/5月19日(金)/カシマ

 元日の吹田スタジアムで鹿島を相手に1-2の敗戦を喫して初戴冠の望みが潰えたその試合後、中村憲剛の言葉が非常に印象的であった。

【鹿島0-3川崎PHOTO】川崎が3ゴールの快勝劇! 

「決定的な場面はありました。それでも向こうはちょっとでも身体を寄せてやらせないというのがあった。ウチがそうしてなかったわけではないし、ウチも最後は身体を張れていました。だけど、ほんのちょっとの差だと思いますけど、その差が結局これほどの、天と地ほどの違う結果を生むんだと……」
 
 思えば昨年のチャンピオンシップ準決勝の鹿島戦でも、金崎に許した決勝点はその直前のクロスに対するエウシーニョの寄せの甘さがキッカケとなっていた。
 
 昨季、初戴冠への二度のチャンスを鹿島という相手に阻まれ、そこに存在していたのはわずかだが大きな“差”であり、それを身に染みるほどに選手たちは痛感させられたのである。
 
 それが100パーセントの理由ではないだろうが、今季の川崎は鬼木達新監督のもと、「寄せる」「闘う」という部分に注力して日々を過ごしてきた。
 
 そして、元日以来となった鹿島戦で、川崎は3-0の快勝を収めたのである。怪我人が続出している状況を考えれば、本来の姿であるとは言えないかもしれないが、鹿島は鹿島であり苦杯を舐めされられた相手にリベンジを果たしたことに変わりはない。
 
 その試合で際立ったのが、川崎の闘う姿勢であった。序盤からボールホルダーに対して激しくプレスを仕掛け、一回で取れなくとも二度追い、三度追いをする。ファウルになる場面もあったが、守備の局面で主体的に圧力をかける姿は、相手にとっては厄介だっただろう。
 
「戦うところですとか、球際というものは今年の最初からずっと言い続けているところです。当たり前のところですけど、それがないと勝てないというのは分かっている。個人差、強い人弱い人はいますけど、気持ちのところでしっかりと戦えたというのは本当に評価したい」
 
 鬼木監督はこの日の勝利をこう評価した。
 
 先制点ではカウンターで阿部のゴールをお膳立てし、2点目は自ら記録した長谷川は今季のチームの変化についてこう語っている。
「より勝つためのサッカーになったかなと思います。確かにつなぐところもありますけど、そこに固執しすぎず、まずはゴールに向かうということ。サッカーの本質を突いているようなトレーニングが多いので。今までやってきたことにプラスアルファ、自分としてもそういうものが足りないと思っていた」
 
 まさにゴールにダイレクトに向かうプレーが先制点のカウンターであり、2点目、3点目は昨季までのチームが作り上げてきたものをベースとした崩しだった。
「(闘う部分は)今日に限らず、オニさんが今シーズン言ってきたことですし、そこで負けたら話にならない。鹿島には隙を見せたらやられる。その中で隙を見せずに向こうの隙を突くという点のとり方ができたと思う」
 中村は鹿島戦をそう振り返る。
 
 しかし、内容的には、特に後半は相手のサイド攻撃に手を焼いて押し込まれる時間帯が続いた。「もっとボールを持っても良い」と中村も苦い顔で言う。90分間継続的に怖さのある攻撃ができたかと言われれば、そうではない。その点は課題である。
 
 そして、いくら因縁の相手に勝てたとはいえ、タイトルがかかった試合で打ちのめされたあの悔しさを完全に晴らせたわけではないだろう。次に相見える時は、タイトルが懸かった重要な一戦で、ベストな状態の鹿島を相手に、さらに成長した姿を見せて勝利を奪いたいところだ。それが本当の意味での、川崎にとっての“リベンジ達成“となる。
 
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
 

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