レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第26回・ギグス(元マンチェスター・ユナイテッド/元ウェールズ代表)

レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第26回・ギグス(元マンチェスター・ユナイテッド/元ウェールズ代表)


 本誌ワールドサッカーダイジェストと大人気サッカーアプリゲーム・ポケサカとのコラボで毎月お送りしている「レジェンドの言魂」では、サッカー史を彩った偉大なるスーパースターが、自身の栄光に満ちたキャリアを回想しながら、現在のサッカー界にも貴重なアドバイスと激励を送っている。
 
 さて今回、サッカーダイジェストWebに登場するのは、「ジャックナイフ」の愛称通り、切れ味鋭いドリブルであらゆるDFを震え上がらせるとともに、世界中のサッカーファンを魅了してきた元祖ワンダーボーイ、ライアン・ギグスだ。
 
 マンチェスター・ユナイテッドで黄金時代を謳歌し、数々のタイトルを手にする一方で、母国ウェールズをビッグイベントへ導こうと苦闘し続けた偉大なる英国サッカーのレジェンドの軌跡を、ここで振り返ってみよう。
 
――◇――◇――
 
 英国ウェールズの首都カーディフで「ライアン・ジョゼフ・ウィルソン」が生まれたのは、1973年11月29日のこと。父はシエラレオネ人の血を引くラグビーの選手だった。
 
 6歳でマンチェスターに引っ越したライアン少年は、早くからサッカーの才能を発揮し、マンチェスター・シティのアカデミーに所属しながら地元チームでもプレー。リバプールやマンチェスター・ユナイテッドのスカウトの目に止まることとなる。
 
 なかでも彼に強く惹かれたのがマンチェスター・Uで、スカウトの報告を受けたトップチームの監督アレックス・ファーガソンが自ら視察を行ない、ライアン少年14歳の誕生日に彼の自宅を訪れ、3年以内にプロとして出場させるという条件を提示した。
 
 この年、両親が離婚。2年後にライアンは、母親の姓である「ギグス」を名乗るようになった。
 
 ファーガソン監督の約束通り、17歳の誕生日にギグスはプロ契約の提示を受けてこれを快諾。「ジョージ・ベストの再来」と注目と期待を集めるなか、91年3月2日、ホームでのエバートン戦でデビューを飾った。まだ、プレミアリーグが創設される前のことである。
 
 デビューシーズンの試合出場数は2試合に止まったが、2試合目となったマンチェスター・C戦では早くもスタメンに名を連ね、さらには初ゴールも記録した。
 
 このシーズンの終わりには、自らの出場はなかったものの、決勝でバルセロナを下してカップウィナーズ・カップ優勝を経験。85年に起こった「ヘイゼルの悲劇」により、長く続いたイングランド勢への欧州カップ戦出場停止の処分が解けてからすぐの戴冠だった。
 
 2年目、フットボールリーグとしての最後のシーズンでギグスは38試合に出場し、リーグカップ優勝を飾った一方で、FAユースカップも制覇してさらに評価を高めるなど、大いに飛躍を遂げた。
 
 そして92-93シーズン、彼は左ウイングのレギュラーポジションを奪取。41試合9得点の記録を残し、エリック・カントナ、ポール・インスら偉大なメンバーとともに記念すべきプレミアリーグ初代王者の一員となり、自身は2年連続でPFA最優秀ヤングプレーヤー賞を受賞した。
 
 93-94シーズンはリーグ(連覇)とFAカップの「ダブル」を達成。左サイドからのチャンスメイクだけでなく、キャリア初の2桁ゴール(13点)を記録するなど、攻撃面であらゆるかたちで勝利に貢献し、存在感を強めていった。
 
 95-96シーズンにもダブルを経験し、翌シーズンは自身4度目のリーグ優勝。タイトル獲得に慣れていたギグスだが、そんな彼にとっても(そしてマンチェスター・Uにとっても)98-99シーズンは忘れられないものとなった。
 
 リーグとFAカップのダブルに加え、チャンピオンズ・リーグ(CL)を31年ぶりに制覇。しかも、バイエルンに1点リードされたまま迎えた後半アディショナルタイムで2点を奪って逆転という「カンプ・ノウの奇跡」によって「トレブル」を達成したのである。
 
 ギグスはその高速ドリブルで幾つものチャンス、ゴール、勝利を生み出して、クラブ史上初の大偉業に貢献したが、自らはFAカップの準決勝、アーセナルとの再試合で、3人のDFを巧みな足技でかわし、強烈なシュートをゴールの天井に突き刺すという、永遠に語り継がれるゴールを決めた。
 
 この頃には、デイビッド・ベッカム、ポール・スコールズらが成長してスター選手となり、マンチェスター・Uは世界でも一二を争うほどの華やかな集団となっていたが、そのなかでも世紀のドリブルスター、ギグスは独自の存在感を示し、世界レベルでの高い人気を博した。
 トレブル達成に貢献したギグスは、同年末に欧州王者の一員として来日。国立競技場で南米王者パルメイラスとの戦いに臨み、その高速ドリブル→クロスからロイ・キーンの決勝点を引き出して、世界王座奪取の原動力となった。
 
 CLでも上位の常連となったマンチェスター・Uにおいて、戦術上でも精神的にも不可欠な存在としてギグスはチームに君臨。2000年、01年(つまり3連覇!)、03年とリーグ優勝に貢献し、05年にはイングランドのサッカー殿堂入りを果たした。
 
 06-07シーズンも30試合に出場し、自身9度目のリーグ制覇を達成。この数字は、リバプールのレジェンド、アラン・ハンセンとフィル・ニールを抜いての最高記録となった。
 
 07-08シーズンはリーグに加え、自身2度目のCL優勝。チェルシーとの同国対決となった決勝戦はPK戦、さらにサドンデスに突入し、ギグスは最終キッカー(7人目)として成功し、後攻チェルシーのニコラ・アネルカ(失敗)にプレッシャーをかけた。
 
 欧州王者として2度目の来日を果たしたクラブワールドカップでは、準決勝のガンバ大阪(5-3の勝利)にフル出場を果たしたが、2度目の世界制覇を果たした南米王者キトとの決勝(1-0)では、ピッチに立つことはなかった。
 
 ちなみにマンチェスター・Uは、この後、09年、11年にもCL決勝へ進出したが、いずれも黄金時代真っ只中のバルセロナに敗北。ギグスはいずれの試合にもスタメン出場している。
 
 30歳を過ぎても怪我が少なく、衰えを感じさせない彼は、ファーガソン監督にとって常に計算できる持ち駒であり、指揮官の期待に応え、ギグスは重要な試合で大きな仕事を果たす。また、ウイングからMFへのコンバートにもすんなりと適応していった。
 
 10-11シーズン、そして自らをマンチェスター・Uに導いてくれたファーガソン監督のラストシーズンとなった12-13シーズンでもリーグ優勝に貢献。「ファーギー・ベイブス」のひとりとして、最後の恩返しとなった。
 
 13-14シーズン、デイビッド・モイーズ新監督の下で、選手兼コーチとして24年目のシーズンを迎えたが、チームは低迷を極め、新体制は間もなく崩壊。シーズンの残り1か月あまりを、40歳のギグスは暫定監督(兼選手)として過ごすこととなった。
 
 そして14年5月19日、現役引退を発表。ラストシーズン、23年間続いたリーグでの連続得点記録は途絶えたものの、コーチを兼ねる多忙の状況のなかでも12試合に出場した。
 
 マンチェスター・Uでの公式戦出場数は963。それは2位のボビー・チャールトン(758)を大きく引き離す記録であり、二度と破られることはないといわれている。その他にも、数々の最年長記録(出場、得点など)を保持し、まさに記録にも記憶にも残るレジェンドとなった。
 
「ジョージ・ベストの再来」と期待されてデビューし、その期待以上の実績を残したウェールズの天才。そしてベスト同様、代表チーム(ウェールズ)では残念ながら、メジャーイベントに出場するという夢は叶わなかった。
 
 キャリアの長さの割に、代表キャップ数は64(12得点)と決して多くないのは、ファーガソン監督の方針の下、親善試合への出場が許されなかったからである。それゆえ、母国のファンからは、時に「代表軽視」と批判を受けることもあった。
 
 しかし彼はキャリアの晩年、初めて代表選手として大きな舞台に立つことができた。2012年ロンドン・オリンピックだ。英国統一チーム(実際はイングランドとウェールズからの選出だったが)のキャプテンとして出場したギグスは、UAE戦では先制ゴールを決めた。
 
 残念ながら、故郷カーディフで行なわれた準々決勝の韓国戦で敗退となり、メダル獲得の夢は叶わず。しかし、彼自身はこの試合でのPK戦でも4番目で登場して確実に決めるなど、最後まで自身の仕事は果たした。
 
 引退後はマンチェスター・Uのコーチを務めながら、セミプロのクラブ、サルフォード・シティの経営にスコールズ、ニッキー・バット、ガリー&フィル・ネビルら「92年組」とともに参画するなど、様々な活動を見せている。
 
 昨夏にはノッティンガム・フォレストの監督就任が間近といわれながら立ち消えになったギグスだが、監督業には強い意欲を持っているということで、間もなくベンチで辣腕を振るうかつてのスピードスターの姿が見られるだろう。

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公式HP:http://www.pksc.jp/
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