【総体】日ノ本学園の“元気印”が殊勲の決勝ヘッド!「あの3日間を絶対に忘れない」

【総体】日ノ本学園の“元気印”が殊勲の決勝ヘッド!「あの3日間を絶対に忘れない」


 どちらに転んでもおかしくない、まさに1点勝負の様相だ。
 
 藤枝順心と日ノ本学園が覇権を争ったインターハイ女子決勝。堅守自慢のチーム同士がしのぎを削った一戦は、後半の半ばに入ってもチャンスらしいチャンスがない、壮絶なメンタルゲームとなっていた。
 
【インターハイ女子決勝PHOTO】日ノ本学園が藤枝順心を下し、2年ぶり5度目の優勝!

 そして後半18分、ついに均衡が破れる。決めたのは日ノ本学園の背番号15、2年生MF澁川鈴菜だ。エースの宮本華乃が右サイド深くに流れてキープし、後ろへ戻す。そのボールをMF伊藤美玖が鋭いクロスで折り返し、中央に走り込んでいた前線のダイナモが飛び出してきたGKより先に頭で合わせ、歓喜をもたらした。
 
 この虎の子の1点が、殊勲の決勝点となる。澁川は満面の笑みを浮かべ、ゴールシーンを振り返った。
 
「クロスが上がったときにフリーだったので、これは入るなと思いました。すごく良いボールを美玖さんがくれたので、決めるだけでした。応援してくれたみんなのおかげです。大会前に応援歌を10曲くらい増やしてくれて、そんなみんなの想いがつまったゴールだった。わたし自身、大会に入ってからアシストばかりだったんで、決勝で絶対に決めるぞと意気込んでたのもあります」
 
 試合前夜のミーティングで、田邊友恵監督は選手たちに発破をかけていた。準決勝までは選手間で「見て、出して」という局面が多く、いつもワンテンポずれていた。そのため指揮官は、「もっと信じて走れ!」と檄を飛ばしたのだ。澁川は「あの言葉を受け止めて、迷わず走り込んだ結果です」と語った。
 
 田邊監督いわく、澁川は「大人しい子が多いなかで、なんというか、ずる賢いプレーのできる子」だという。そして、「そんな彼女だからこういう試合でゴールが決められたんだと思います」と称えた。
 
 その話を本人に向けるとニッコリ笑い、「たとえば理子(牛島)さんは頑張ってポジショニングを取るんですけど、自分はいっかいさぼってみて、相手が離れたらフリーでもらえると考えちゃうんです。だからサボリは多いです(笑)。ただ、ゴールシーンは必死に走りましたよ」と話した。
 
 昨年度の日ノ本学園は5年ぶりの無冠に終わった。新チームが発足してからも覇気の感じられない状態が続き、6月、たまりかねた田邊監督はひとつの荒療治を施す。丸3日間、全学年の全選手だけで徹底的に話し合わせたのだ。主将の牛尾が何度も「終わりました」と報告に来ても、「まだまだ」と取り合わなかった。
 
 澁川は、あの3日間を絶対に忘れないと振り返る。
 
「練習中もしゅんとなることが多くて、そんなんで優勝できんのかって監督に怒られて。あの3日間は、チーム全員が泣くくらいとことんまで意見をぶつけ合って、話し合った。何回も何回も。アップからも声が出るようになって、大きく変われた3日間でした」
 
 この日はセカンドトップに入りながら、藤枝順心の攻守の軸、千葉玲海菜の動きをケアし続けた。「10番が起点になるのは分かってたんで、わたしが早い段階で潰そうと。自由にはさせなかったと思います」と振り返った。
 
 まだシーズンの半ば。もちろん最終目標は、冬の選手権とのダブルクラウンだ。
 
「わたしにとってはいまの3年生が偉大で、優勝させることができて本当に嬉しい。自分たちが3年になったら超えていけるくらいになりたいと思います。選手権は地元の兵庫開催で、わたしの出身地でもあります。絶対に獲って2冠を達成します」
 
 力強く宣言した日ノ本の“元気印”。次期エースの視線は、すでに冬の王座を見据えていた。
 
取材・文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

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