【名古屋】風間監督と全国制覇の母校恩師が証言! 3戦連発の青木亮太が4年目の飛躍を遂げつつある理由

【名古屋】風間監督と全国制覇の母校恩師が証言! 3戦連発の青木亮太が4年目の飛躍を遂げつつある理由


[J2リーグ27節]名古屋5-2松本/8月12日/豊田ス
 
 名古屋グランパスでプロ4年目を迎えたMF青木亮太が、3試合連続のゴールを決めた。

 
 12日に行なわれたJ2・27節の松本戦で1得点・1アシスト。ただ、5-2の勝利に貢献したが、「3戦連続は狙っていたので、決められて良かった。点を取ることは続けていかなければいけない。二桁くらいは狙いたいけど、得点を狙いつつ、チームの力になることを考えたい」と、青木は笑顔を少し覗かせる程度にとどめ、さらりと話した。怪我に悩まされてきた時期が長かったこともあって喜びは隠さなかったが、一方で、これからだという気持ちが強いようだ。
 
 青木は、これまでずっと怪我との戦いに苦しんできた選手だ。プロ1年目は、U-19日本代表候補で活躍した直後に負傷。U-19アジア選手権メンバー入りの可能性が消えた。プロ2年目は開幕先発が濃厚となったが、開幕直前に左膝前十字じん帯断裂などの重傷を負って長期の離脱を強いられた。
 
 3年目は夏に復帰を果たしたが、出場は1試合のみ。しかも、チームはJ2降格の憂き目にあった。青木は「久々に、あまり怪我もなくできている(シーズン)。続けて(試合を)できていることが、調子がだんだん上がっているひとつの理由かなと思います。今まで、なかなかなかったので、今はすごく楽しいですし、楽しいなかで結果が付いて来ているのが良いと思います」と4年目の飛躍の実感を話した。
 
 今季も左足の負傷で1か月の戦線離脱を余儀なくされたが、24節の京都戦で戦列復帰した後は、25節から3試合連続得点と絶好調だ。風間八宏監督は「自信が付いてきたのではないかと思う。あとは、頭(の中)が連続して動くようになったということ。身体を動かすのは、頭。頭が動かなければ、身体は動かない。ただ、まだプレーの中で止まってしまう部分もあるので、その辺は厳しく見ていきたい」と期待の裏返しである叱咤を織り交ぜながら、キレのある動きを評価した。
 オフシーズンから高い意識を持って、身体を作って来た。6月、20節の長崎戦でJ初ゴールを決めた翌々日に、青木の母校であり、今夏のインターハイ(全国高校総体)王者となった流通経済大柏高を訪れると、本田裕一郎監督が「青木が決めたんだって? 風間監督に使われるようなら本物だね。アイツ、オフにここへ来たんだよ。午前練習に参加して帰ると思っていたら『次は何時からですか』って聞いて来たんだ」と嬉しそうに話した。
 
 青木は昨季終了後の年末、母校の練習に約1週間にわたって参加。現役生と同じ2部練習をこなしたという。今季にかける意気込みの表われかと聞くと、青木は「顔を出すついで。怪我をした後だったから、動きを元に戻したかったので。気持ちは毎シーズン、同じようにかけていますよ」と受け流したが、キレのある動きを支える一因と言えるだろう。
 
 試合の中でも、身体がよく動いていると感じられる場面が、多々ある。25節の熊本戦で決めたゴールは、象徴的だった。鮮やかなステップで相手を抜き去って決めたシュートは、「DAZN週間ベスト5ゴール」に選ばれた。得意とするドリブルのタッチは細やかで素早く、相手を棒立ちにさせる。一人だけ早送りで動いているようだった。
 
 今節の松本戦では、相手の背後へ抜け出し、前へ出て来たGKの頭上をループシュートで抜いてネットを揺らした。先に飛び出したFWシモビッチがボールに触りそうだったが「ロビン(・シモビッチ)はオフサイドかもしれないけど、自分は大丈夫だと思ったし、ロビンも(わずかに)間に合っていなかったから」と貪欲に走ってシュートにつなげた。
 
「ロビンが行けば良いと思ったけど。ああいうギラギラ感を良い方向につなげたいですね」と笑ったのは、先輩ストライカーの佐藤寿人だ。
 
 青木は、ゴールやアシスト以外でも、攻撃の起点になるプレーを見せていた。松本戦は、相手が積極的にプレスをかけて来たことで、ダブルボランチが自由にプレーさせてもらえず、ロングパスが多くなった。それでも、青木は「前から守備に来ている相手のボランチと(後ろに残っている)最終ラインとの間でパスを受けて前を向ければチャンスになるかなと思っていた」と相手の狭間に入り込んでボールを呼び込み、ターンを仕掛けて果敢に主導権を握りに行った。
 青木は足下でボールを細やかに動かしながら相手を引き付け、味方のための時間を作れる選手だ。名古屋はシモビッチというターゲットのいるチームだが、足下でつないでいく場合には青木がキーマンのひとりとなりそうだ。今後も活躍が続けば、外せない主軸となり得る。
 
 松本戦のマッチデープログラムには、青木のミニインタビューが掲載されていた。見出しに「目指す場所は、もっと上にある」とあった。表情や言葉から感じられる雰囲気も、充実感はあるが、満足感はない。結果を一時的に残すのではなく残し続けること、必ずチームをJ1に復帰させなければ、何を成し遂げたことにもならないという覚悟があるのだろう。
 
 青木の活躍とともに、チームも上昇ムードとなっている。まだ2位の福岡とは勝点9の差があるが、3連勝で3位に浮上した。青木は「このまま勝ち続けていけば、上位との差は縮まる。上を意識してやっていきたい」と自動的にJ1昇格の権利を得る2位以上への浮上を見据えた。おそらく、3戦連続ゴールは、飛躍の序章に過ぎない。
 
取材・文:平野貴也(フリーライター)

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