【U-23】森保戦術の"肝"を任されたアタッカー!遠藤渓太のポテンシャルと”化ける”可能性

【U-23】森保戦術の


 アイツはもしかしたら、「森保システム」で化けるかもしれない。

 10日に開幕したU-23アジア選手権で、そんな期待感を取材陣に抱かせている選手がいる。横浜のMF遠藤渓太だ。
 
 本来の遠藤は攻撃的なサイドハーフ。昨年5月のU-20ワールドカップに臨んだチームでも主に左右のMFとして出場してきた。スピードがあってドリブルのセンスもあり、中に切れ込んでのミドルシュートという“一発”もある。守備もサボらない。一方で、「パスを繋ぐのは余り得意じゃない」と認めるように、パサーとしての能力に秀でるタイプではなく、4−4−2のシステムでポゼッションスタイルを意識すると、どうしても使われ方が“スーパーサブ”になりがちだったのも事実だ。
 
 昨年は所属の横浜でも最終ラインの一角に置かれる試合が増加。U-20代表でもそちらのポジションで試用され、サイドバックの控えも兼用するような形でワールドカップのメンバーに残った。本人にしてみると、「守備は嫌いじゃない」とはいえ、「自分の持ち味はあくまで攻撃」なのだから、不本意な部分もあったに違いない。ただ、ここで得た経験が、いままさに生きようとしている。
 
 昨年、広島との試合で遠藤はサイドバックで出場しており、U-21日本代表を率いる森保一監督にも強い印象を残していたようだ。大会直前に行なわれた大阪合宿では「そのときの試合を持ち出して『お前、守備できるだろ』という感じで」(遠藤)、4バックのサイドバックや森保システムの3−4−2−1の左ウイングバックとして遠藤を起用。このシステムならではのポジションをトリコロールの若武者に託した。
 
 中央の選手たちが近い距離を保つ森保システムにおいて、ウイングバックは半ば意図的に孤立するポジションだ。相手のサイドDFと1対1になりやすく、この局面を作ること自体がひとつの攻めの形となる。逆に言うと、この1対1で崩せない選手がウイングバックをやっていると、攻撃が手詰まりになりやすい。広島でミキッチや柏好文といったJリーグでも指折りのドリブラーたちがこのポジションを託されてきたのは、そういう理由が大きい。アップダウンの多さだけで勝負するような「普通のサイドバック」タイプをここに置くと、攻撃面で難しいのだ。
 
 そこで遠藤である。
 
「広島を観ていても(ウイングバックには)ドリブラーを置いているイメージですし、対面の相手に勝つか勝たないかだと思う。自分のところで全部勝てるくらいのつもりでやる。自分の特長が生きやすいポジションだと思う」(遠藤)

【U-21日本代表PHOTO】AFC U-23選手権 中国2018へ向けた招集メンバー23人
 13日に行なわれたタイとの第2戦では、相手がミラーゲームを挑む形で3−4−2−1同士のマッチアップになった。ウイングバックは互いにサイドで孤立し合って1対1になるケースが頻出し、まさに遠藤の見せ場だった。何度もドリブルで切り裂き、チャンスを創出。本人は「得点もアシストもなかったので」と辛口だったが、指揮官への見え方はどうだったか。「このポジションで遠藤がもっと伸びる」可能性を感じたのではないかとも思う。
 
 遠藤が残している伸びしろは、攻撃の連係面を含めた戦術的な部分だろう。
 
「いざ試合でやってみると守備のポジショニングとかやっぱり難しくて、たぶん試合を見返してみたら、いろいろと穴は出てくる。そういう部分で、初めて(実戦でこのシステムを)やってみて分かったことがあった。前の選手を動かす部分もあるし、後ろとの関係性もある。パワーの使いどころもそう。守備の選手でもあるので、そこは責任持ってやらないといけないので」(遠藤)
 
 手探りだったのは否めない。判断を迷っているように見えるシーンもあった。ただ、このシステムに限らずウイングバック自体が「まったく初めて」という真っ白な選手であることを割り引いて考えれば、できていない部分を変にネガティブに捉える必要もないだろう。
 
 監督が代わってシステムが変わり、選手に転機が訪れる。サッカーではよくある話だ。遠藤がそういう選手になれるかはまだ分からないが、その可能性は確かに見せた。遠藤渓太は「森保システム」の看板、ウイングバックのポジションを獲りに行く。
 
取材・文●川端暁彦(フリーライター)


関連記事

SOCCER DIGEST Webの他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索