【岩政大樹】”新ビッグ3”に共通する「まず自分で」の意識。日本代表はメンタリティのスタンダードが変わった

【岩政大樹】”新ビッグ3”に共通する「まず自分で」の意識。日本代表はメンタリティのスタンダードが変わった


 新時代の幕開け。そんな印象を強烈に残す試合でした。森保ジャパンは強豪ウルグアイを真っ向勝負で打ち破り、日本サッカーは新たなステージに足を踏み入れたと感じさせました。
 
 ロシア・ワールドカップで得た自信は、日本サッカーの歴史として新しい世代に受け継がれました。そして、前の世代を超えていこうと躍起になる若者たちと経験ある選手たちとで織りなす新たな日本代表の形は、未来に希望を抱かせました。
 
 牽引したのは9月のコスタリカ戦同様、2列目の3人、中島翔哉選手、南野拓実選手、堂安律選手です。3人のふてぶてしいまでのプレーぶりが、ウルグアイを驚かせ、動揺させ、崩れさせたと思います。
 
 新世代の旗頭となった彼らに共通するのは、頭の中の最初の選択肢が「自らボールを運ぶ」あるいは「自ら攻撃を切り開く」こと。これまでの日本代表はコンビネーションで相手を崩すためにイメージの共有を先に頭に描いてプレーしていたように見えましたが、彼らは「まず自分で」の意識があるのでゴールに向かう攻撃が多く、これまでにないスピード感を感じさせました。
 
 まずゴールに向かう、それがダメなら次、というリズムはサッカーにおいては基本ですが、それを体現するためには個のスキルに加え、なによりそのメンタリティが求められます。つまり、”当たり前”のように果敢に自ら相手に挑んでいくメンタリティです。
 
 サッカーの時代が変わるのは、メンタリティの「スタンダード」が変わるとき。例えば、カズ(三浦知良)さんがヨーロッパへ渡った後。例えば、中田英寿さんや中村俊輔選手がヨーロッパで活躍した後。例えば、本田圭佑選手や香川真司選手がヨーロッパのトップクラブでプレーした後。そこに今回のロシア・ワールドカップの躍進と躍動が加わって選手たちのスタンダードが変わり、視座が上がって”当たり前”の基準が変わったことを今回のウルグアイ戦ではっきりと感じました。中島選手も南野選手も堂安選手も、もはやウルグアイの選手たちと個で渡り合うことは”当たり前”、そんな感覚でプレーしていることを感じたのです。
 
 それを支えていたのが大迫選手であり、両サイドバックの長友選手と酒井選手でした。この3人は所属チームでも中心として目覚ましい活躍を続けています。ウルグアイ戦も圧巻の働きでした。
 
 それを最後方から締めるのが新キャプテン、吉田麻也選手ということで、現時点ですでに非常にバランスの取れた理想的なチームが出来上がったと言えます。ウルグアイ戦の結果、内容により、1月のアジアカップはこのメンバーを中心にして構成されていくことになるでしょう。ひとまずチームの骨格はできたと思います。
 
 ただ、懸念はウルグアイ戦も結局は「うまく流れを掴んだ」ことによる勝利だということです。つまり、「プランA」でそのまま押し切った、という試合で、前半の立ち上がりや失点後に”うまく”得点が入ったことも大きく、物事が良いほうに流れていく試合だったのです。
 
 ウルグアイもワールドカップを終えてから新しい形を模索中で、特に前半はベクトルが自分たちに向いていて、「相手をいかに困らせるか」より「自分たちがいかにプレーするか」に重きが置かれているようでした。そうすると、日本としては解決策に困るような状況は生まれづらかったと思います。
 
 ウルグアイという強豪ですから、それ自体も素晴らしいことですが、ワールドカップの本大会ともなればそう簡単に事が運ばないことをもう私たちは知っています。ロシア・ワールドカップのときのベルギーのように、日本に対して明確な課題を突きつけてくるような戦いも見せてくるでしょう。ウルグアイも後半には多少「対日本」で攻めてきたところもありましたが、それでもテスト色が強い部分は否めませんでした。
 
 うまく流れを掴めない試合や相手が有効な日本対策をしてきたときの対応という意味では、まだ見られておらず、「プランB」の準備の仕方は持ち越しとなりました。あるいはそこは4年のスパンの中で徐々に作っていく方針で、今はその段階にないのかもしれませんが、これから必ず森保監督と選手たちはそこにトライしていくはずですから、そのチーム作りには注目していきたいと思います。
 
 ウルグアイ戦が終わった時に、私には既視感がありました。その正体はすぐに分かりました。8年前のアルゼンチン戦です。
 
 南アフリカ・ワールドカップで岡田監督の元、結果を出した日本代表の自信はザッケローニ監督に引き継がれた後も続き、本田、香川、岡崎という新世代の若者たちがその後の日本の戦いを示し、そして実際に今日まで日本を引っ張りました。中島、南野、堂安は新たな”ビック3”と呼ばれるようになるのか。このウルグアイ戦が、いつか日本サッカーを振り返ったときに語り継がれるような試合となったことは確実です。
 
【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。2010年の南アフリカW杯メンバーにも選出された。現在は、東京ユナイテッドFCで選手兼コーチを務める。
 
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