「日本代表史上、最強のスペクタクル!」英誌・熟練記者が圧巻4発の森保ジャパンを手放し称賛!

「日本代表史上、最強のスペクタクル!」英誌・熟練記者が圧巻4発の森保ジャパンを手放し称賛!


「我々は日本アタッカー陣のスピードとコンビネーションに屈した」
 
 試合後、ウルグアイ代表を率いるオスカール・タバレス監督の言葉が印象的だった。
 
 新生日本代表は4−3の快勝に終わったウルグアイ戦で、その長所と短所を鮮明に描き出していた。長所とはもちろん、攻撃である。ここまで攻撃がストロングポイントとして浮かび上がったチームを私は知らない。四半世紀以上、日本代表を取材してきて、初めての感覚ではないかと思う。
 
 ポジティブな要素は数え切れない。
 
 明らかに勝ちにきた骨のある相手に、3試合で10得点を挙げた。南野拓実はそのうち4得点を決め、本物のストライカーであることを証明。中島翔哉の卓越したプレービジョン、高精度のパス&キックの精度、そしてどこからでも貪欲にシュートを撃つ姿勢が目を引く。森保ジャパンにおける変革の旗頭は間違いなく彼だ。
 
 堂安律も素晴らしい。ウルグアイ戦では代表初得点を綺麗に決めたし、とりわけその後半、右サイドで構築した酒井宏樹との連携が圧巻だった。急造とは思えない円滑さで、ホットラインと形容するに相応しい。日本の波状攻撃を引き出し、ウルグアイ守備陣にとっては脅威以外のなにものでもなかった。中島と長友佑都の左サイドも然りで、日本の両翼は躍動したばかりでなく、娯楽性も十二分だったと言える。

 
 これまで長きに渡って、日本代表の強みは常に中盤にあった。中田英寿、中村俊輔、小野伸二らが活躍した時代、日本が誇る世界的な名手はいずれもミッドフィルダーだった。換言すれば、サッカー少年や若手が目ざした憧れの対象もまた彼らミッドフィルダーで、香川真司や本田圭佑らがバトンを受け継いだ。
 
 とはいえ、最大の長所なりチームカラーは攻撃だ、と断言できる時代はなかった。ロシア・ワールドカップが良い例だろう。前述の3選手のほか、大会では大迫勇也や乾貴士、原口元気、柴崎岳といったタレントが異彩を放ったが、かならずしも“攻撃的”ではなかった。FIFA(国際サッカー連盟)のテクニカルレポートによれば、出場32か国で「敵ペナルティーエリア内に侵攻した平均回数」で、日本は下から4番目。韓国、パナマ、イランをわずかに上回ったに過ぎない。数字上でも明らかで、攻撃的とは言えないチームだった。
 西野朗前監督もそうだったが、森保一現監督もよく「日本のサッカー」というフレーズを口にする。日本人の特性である俊敏性とチームワークを前面に押し出して、攻撃性を貫く。なんとなくイメージはあるものの、具体性を欠いてきた。ついに新チームは、その理想郷の一端に近づきつつあるのかもしれない。
 
 もし私が日本のサッカー少年なら、いま憧れるのは南野、中島、堂安のいずれかだろう。個で局面を打開でき、強さがあり、得点力も申し分ない。そんなアタッカーたちが日本でも台頭し、大きなうねりを生んでいる。重要な歴史の転換点を迎えたのだ。
 
 ワールドカップ出場組との融合も一気に進んだ。ウルグアイ戦で若きサムライたちを支えたのは長友、酒井、吉田麻也、柴崎、遠藤航たちであり、大迫も決め切れないシーンはあったものの1得点を挙げて存在を示し、3失点の東口順昭も何度かのビッグセーブで見せ場を作った。

 
 一方で課題も浮き彫りになった。
 
 やはり攻撃から守備への切り替えが不安定で、組織として未熟な側面がある。90分間のなかで攻守ともに波があり、テンポ良く攻めているかと思えば、パスが繋がらず、リズムを失なう時間帯も少なくなかった。目立っていたのは局面でのルーズなパス。前線の選手が動き出していてもルーズな横パスで無駄にし、積極性を欠いては、簡単に相手にボールを奪われていた。ピンチの局面ではあっさりとプレスを掻い潜られ、マーキングミスが散見。ウルグアイ戦での3失点は、いずれも初歩的な守備のミスから生まれたものだ。
 
 とはいっても、騒ぐほどの話ではない。このチームは攻撃という強みを最大限に引き出しながら意思統一を図り、守備やビルドアップの課題をひとつずつ潰していくのだろう。あの一致団結した雰囲気のもと、互いにコミュニケーションを取りながら解決するはずだ。ウルグアイ戦では失点しても、すぐさま追加点を挙げて突き放した点が称賛に値する。悪い流れに陥っても攻撃性を押し通しながら、流れを強引に引き戻していた。あんな芸当を試合のなかで日本代表もできるようになったのだ。心の底から感服した。

 
 そしてなにより評価すべきは、勝利にこだわって勝ち切った点だ。ウルグアイは勝つために交代枠を存分に活用したが、日本は勝つために最小限の交代しか行なわなかった。もはや親善試合の域を超えたベンチワークの応酬があり、ピッチ上では息をもつかせない激しい攻防戦が繰り広げられた。埼玉スタジアムに駆け付けた6万近い観衆は、滅多にお目にかかれない実にお得な90分間を堪能したのである。
 
 日本代表史上、最強のスペクタクルを提供している森保ジャパン。ロシア・ワールドカップで取り戻した熱いフットボール熱を、すさまじい勢いで助長している。
 
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著者プロフィール
マイケル・プラストウ/1959年、英国のサセックス州出身。80年に初来日。91年に英国の老舗サッカー専門誌『ワールドサッカー』の日本担当となり、現在に至る。日本代表やJリーグのみならず、アジアカップやACLも精力的に取材し、アジアを幅広くカバー。常に第一線で活躍してきた名物記者だ。ケンブリッジ大学卒。
 


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