膝の前十字靭帯を断裂し、半月板も損傷したローマのニコロ・ザニオーロは、1月14日に手術を受けたイタリアの新星FWは、シーズン後のEURO2020出場をあきらめずにリハビリへの意欲を表しているが、長期離脱は免れられない。

 重傷を負って、大舞台への切符を逃した例は少なくない。カルチョ界の大先輩であるロベルト・バッジョもそのひとりだ。

 度重なる膝のケガに悩まされた稀代のファンタジスタは、2002年1月末にやはり前十字靭帯を断裂。3か月弱という驚異の早さで復帰を遂げたが、イタリア代表のジョバンニ・トラパットーニ監督はコンディションへの懸念から日韓共催となったワールドカップ(W杯)に招集しなかった。

 そのバッジョは、1月15日にイタリア紙『Corriere dello Sport』で、「わたしもW杯を目指し、全力を尽くした。そして、日本には何度も行ったよ。夜、夢の中で…」と、当時の悔しさを話している。

「手術後2週間で体重が12キロ落ち、涙を500リットル流したのを覚えている」というバッジョは、「こういう時は意欲の力が違いになる」と語り、「大好きで、少し自分の場所だと感じるところでの最後のW杯を戦いたいという意欲」で、10時間連続のジムトレーニングもこなしたと振り返る。

 ただ、当時のバッジョは35歳。かたやザニオーロはまだ20歳である。バッジョは、「最大限のところまでプッシュすべきケースかどうか、決めるのは彼だ」とも付け加えた。

「2002年の自分は35歳だった。ザニオーロはまだ青年で、そのキャリアはまだまだこれからだ。多くのEUROやW杯に出場できる。彼にとっての最善を願っているよ。今の彼がどう過ごしているのか、私には分かる」

 このレジェンドの言葉に、ザニオーロは何を思うだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部