トッテナム・ホットスパーのジョゼ・モウリーニョ監督が、大バッシングに発展した“デリ・アリ問題”に言及した。

 事の発端は、プレミアリーグが束の間の冬期休暇だった先週末。トッテナムのイングランド代表MFデリ・アリがSNSにアップしたひとつの動画が世界中で物議を醸した。

 ドバイへの小旅行に向かうべくヒースロー空港のラウンジで時間を潰していたアリは、巨大な黒マスクをして登場。すると「コロナだぁぁぁぁぁ。音を上げてよく聞いてね」と話し、後方に座っている東洋人らしき男性を無断で撮影した。画面が切り替わり、アリは手元に置いてあった消毒液を映し出し、「ウイルスが俺をキャッチしたいなら、もっと素早く動かなきゃだな」とジョークを飛ばしたのだ。

 この動画がネット上で拡散されると、あたかも男性がウイルスを保持しているかのような扱いで、人種差別的だと大炎上。新型コロナウイルスの感染が世界中で深刻な問題となるなか、あまりにも不謹慎だと非難の的となった。アリは2度に渡る謝罪に追い込まれ、この一件に関してFA(イングランド・サッカー協会)は調査に乗り出すと公表。近日中になんらかの処分が言い渡されるだろう。

 大騒動を招いた愚行に対して、モウリーニョ監督が口を開いた。金曜日の記者会見で次のようにコメントし、寵愛するアリを擁護したのである。

「彼とは話をしたよ。自分が犯した過ちに対して本当に申し訳ないと感じているようだった。誰かを傷つけようとか、侮辱しようと意図したわけじゃない。若者の過ちだ。すぐに後悔し、なにがいけないのかを理解し、ちゃんと謝罪もした。私にはアリと同い年(23歳)の息子がいて、同世代の選手たちとも常に向き合っている。ソーシャル・メディアが彼らにとってどのようなツールなのかは理解しているが、フットボーラーのような公的な立場にある者は、きわめて、きわめて注意深くあらなければならない」

 そして最後に「デリはグレイト・ガイ。人種差別などとは無関係な男だ」と断言した。

 
 英国メディアの見立てでは、FAが出場停止と罰金をアリに科す可能性はすこぶる高そうだ。昨年11月、マンチェスター・シティのポルトガル代表MFベルナルド・シウバが僚友のバンジャマン・メンディをからかって、人種差別的な投稿をした際には、1試合の出場停止と罰金5万ポンド(約675万円)の支払いを命じられた。

 アリにはそれを超える処分が下されるのではないか、と見られている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部