新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、各地の学校が休校となり、卒業式が中止となっていた。浦和レッズのホームタウンであるさいたま市も例外ではなかった。そこで浦和レッズでは、さいたま市内の公立小中高・特別支援学校94校の卒業生に向けて、祝福のビデオメッセージを送るという画期的なアイデアが生まれ、実施された。

 素晴らしいのは、選手たちからチームに相談があり、実行された点だ。発案者はMFの長澤和輝だった。

「僕の出身高校は教員になる人が多い学校で、同期にも教員になっている人がいます。その同期から、子供たちが卒業式を迎えられるかわからず、なおかつ学校にも行けない状況なので、何かできないかと話をもらいました。チームに戻り、チームメイトとかと話して考えたときに、僕たちが住んでいるさいたま市や浦和の方など、地域の方々に対してアクションを起こすべきなんじゃないかとう思いに至り、このような提案をさせていただくことになりました」

 専修大卒で、現在はプロとして活躍しながら早稲田大学大学院をこの3月に卒業予定の長澤は、今回の取り組みのきっかけを語る。
 
「自分が小学生や中学生で、こういう状況で卒業式ができないといわれたときに、いままで練習してきただろうし、本当に悲しいと思います。少しでも元気がでるような、メッセージをもらってうれしくなる、そういう心の支えみたいなものになればと思っていました。浦和レッズや選手がその立場になれるチャンスがあるんだったら、必要なんじゃないかなと思っていました」

 それが、長澤が伝えたい想いだ。そうした想いの下、チームで撮影がスタートし、94校それぞれに個別のビデオメッセージが作成された。

「試合ができない状況で僕たちが何をするべきか、チームとしても、選手としても考えなければいけません。それがいまやるべきことかなと思います」

 今回の浦和の活動は、改めてプロサッカー選手の在り方を考えるきっかけになるかもしれない。

構成●サッカーダイジェスト編集部