新型コロナウイルスのパンデミック化によって、今シーズンの行方が混とんとしている欧州サッカー界は経済的に大きな打撃を受けた。しかしながら、各チームは来る新シーズンに向けた準備をしなければならない。

 すでに各国メディアで補強に関して様々なニュースが飛び交う中で、注目を集めているヤングスターがいる。ドルトムントに所属するイングランド代表MFのジェイドン・サンチョだ。

 まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている20歳は、今夏の移籍市場における人気銘柄の一人だ。とりわけ母国の有力クラブからの関心は高いとされ、マンチェスター・ユナイテッドやリバプール、チェルシー、アーセナルが水面下で獲得レースを展開していると報じられている。

 とくに熱心な想いを寄せているとされているのが、ユナイテッドだ。「盟主再興」を目指す彼らは、その旗手にサンチョを据えようと画策。最低でも移籍金1億ポンド(約140億円)を必要とされる弱冠20歳の俊英に大枚を叩く覚悟を決めているとも言われている。

 そんな中で英紙『Daily Mail』は、「ジェイドン・サンチョはピエール=エメリク・オーバメヤンのようなヒット作か、シンジ・カガワのような失敗作か」と銘打った特集記事を掲載。そこでドルトムントからプレミアリーグへ移籍してきた選手のその後を振り返った。

 記事内で最初に紹介されたのが、香川真司だった。
 
 2012年6月に名将アレックス・ファーガソンに見出される形で、移籍金1400万ポンド(約19億6000万円)でユナイテッド入りした香川は、1年目こそアジア人選手として初となるプレミアリーグでのハットトリックを記録するなどリーグ優勝に貢献。だが、ファーガソンが勇退した2年目以降は、出場機会が減少。そして、14年の夏に古巣ドルトムントへ舞い戻っていた。

 そんな香川について記事では、次のように綴られた。

「この日本人MFは契約した際に、パク・チソンの成功に続き、オールド・トラフォードを賑わす新たなアジアンスターになるだろうという大きな期待を背負った。クラブは極東でのブランド力拡大も視野に入れていた。1年目は公式戦26試合で6得点を挙げて比較的ポジティブなシーズンを過ごしたが、結局、カガワは上手くいかなかった」

 さらに同紙は皮肉交じりにこうも記している。

「迎えた2年目は30試合でノーゴールだった。ドルトムントでの2年間で71試合・29ゴールを記録していただけに、明らかに期待外れの結果だった。カガワはユナイテッドと契約した際に、『ドルトムントとそのファンは僕の心の中に永遠に残る』と言った。そして、皮肉なことにマンチェスターでの不完全燃焼の2シーズンを終え、彼はドルトムントに戻っていった」

 果たして、サンチョはどのようなキャリアを歩むのか? 期待のホープの動静から目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部