新型コロナウイルスの影響でリーグ延期が続くなか、名古屋はトップチームの活動を休止しているが、4月30日からグラウンドを開放。グループごとに時間帯を分け、自主トレーニングを行なえる体制を整えている。

 トレーニングは、コンタクトプレーなどの接触を避け、選手間の距離を保ち、「3密」対策や感染症拡大防止の対応も徹底。そのなかで5月7日には、練習を終えた阿部浩之がweb会議システム「Zoom」を介して取材に応じた。

「良い天気でしたし、自分なりに気持ちよくできたと思います」と振り返った阿部は、芝生の上でボールを蹴れる喜びを感じた様子。

「今はグラウンドに来られるようになったので、家ではストレスを溜めないこと、リラックスすることを大前提に考えています。家にずっといなくちゃいけない時と比べればだいぶ良くなっています」とも語る。
 そして緊急事態宣言が延長されるなど、リーグ再開の目途が立たない状況にも、常に泰然自若な男は前向きな言葉を口にする。

「ネガティブには考えていないので、僕らだけでなく日本全体がそういう形なので、リーグが始まったら始まったなりにできると思いますし、今は自粛して、自分にできることをやりたいです」

 もし今後リーグが再開された場合、連戦やレギュレーションの変更(降格なしなど)がプレー面に影響を及ぼしそうだが、そんな周囲の心配もどこ吹く風だ。

「正直、不安はまったくなくて、始まれば連戦が続きますが、個人の意見としては連戦のほうが好きですし、試合がガンガンあったほうが良いので、逆に楽しみというか。それほどの連戦は今まで経験したことはないですし、これだけ試合が続いたらこうなるんだというひとつの経験になるので、ネガティブに捉えずにやっていきたいです。

(降格なしに関しては)僕は一選手ですし、戦い方は監督が考えることです。ですので僕は勝つことだけしか考えていないですが、降格がなくなると、同点だった場合は点を取りに行けるリスクを負えるとは思います。それも新しい変化で正直、楽しみでもありますね」
 中断期間中には「そんなにしっかり見ているわけではないですが、マリノスがファーストステージとセカンドステージを優勝した試合や、ジュビロとヴェルディの試合を見て、今、監督とかコーチをやられている人が、こんなプレースタイルだったんだ」と様々な発見もあったという。
「今は自分のサッカー観の幅を広げることはできると思います。(名古屋と)似たようなサッカーを観た時は、こういう感じで動けば、こういうプレーができるとは頭には入れます」とインプット作業も行なっているようだ。

 阿部にとってはこの中断期間も無駄な日々ではないということなのだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】名古屋グランパスの歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介!