森重真人がFC東京の元チームメイトである武藤嘉紀(現ニューカッスル)とのインスタライブでこう言った。

「今季はディエゴ(・オリヴェイラ)に笑顔が増えた」

 同胞のブラジル人選手が昨季以上に増えたからだろう。FC東京は、D・オリヴェイラにとってより心地いい環境になった。

 シーズン開幕当初の練習後には、新加入のアダイウトンやレアンドロ、在籍2年目のアルトゥール・シルバと会話しながらロッカールームに引き上げる姿を何度か見かけたが、D・オリヴェイラはリラックスした表情をしていた。

 心のゆとりはプレーにもしっかり反映されているように感じる。実際、アダイウトン、レアンドロとの絶妙な連係でACLと清水とのリーグ開幕戦で大暴れ。フィニッシャーとしてもチャンスメーカーとしても輝く万能性を存分に発揮し、貴重なゴールも挙げている(ACLの蔚山現代戦、清水戦でいずれも1得点)。
 
 Jリーグ再開の見通しは立っていないものの、この段階からD・オリヴェイラへの期待はすでに大きい。FC東京在籍1年目の一昨季、2年目の昨季はいずれもシーズン前半にスーパーな披露しながら、後半戦になるとどこか元気がなくなり徐々にゴールから見放されていった。「ディエゴがシーズン通して好調を維持できれば、FC東京もリーグ制覇できるのに──」と、そんな期待感すら抱かせる。

 サッカーはメンタルも重要なスポーツだ。それを充実させるために環境はとても大事。武藤が「(ニューカッスルに)日本人選手が加入してくたら、どんなに嬉しいか。めちゃくちゃ心強い」と言っていたように、同胞の存在は良質な環境を築くためのキーファクターになる。

 D・オリヴェイラ、アダイウトン、レアンドロの鼎談を今年3月に実施した時、レアンドロはD・オリヴェイラのことを「うちらのプレジデント(社長)だから」と笑顔で言っていた。確かにブラジル人カルテットの中心にいるのはD・オリヴェイラで、他の3人から慕われている様子も窺えた。当のD・オリヴェイラにもリーダーとしての自覚が生まれているようで、雰囲気的にも逞しく見える。

 より強力な仲間を得た“プレジデント”が、今季は例年以上に素晴らしいパフォーマンスを披露してくれそうな強い予感がある。自粛生活の最中にそうなことを言ってもピンとこないかもしれないが、それでも──。ディエゴならやってくれると、そう信じている。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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