5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に“歴代で最強だと思う3チーム”を選んでもらっている。ここでは、現役時代は“熱い”プレーで観衆を沸かし、監督としては北九州や鹿児島で手腕を発揮した三浦泰年氏の“最強チームトップ3”を紹介しよう。

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「三浦泰年氏が選ぶ“最強チームトップ3”」
1位:1993年のヴェルディ川崎
2位:1993年(ニコスシリーズ)の清水エスパルス
3位:2005年のジェフユナイテッド千葉
 今のJリーグがあるのも、この93年のヴェルディがあってのことであろう。

 カズ(三浦知良)は、個人で決め切る力や、ドリブルからフィニッシュまでの美しさなど、その素晴らしい技巧で日本のサッカーを変えていった。

 その他でも、絶対的な存在感を放ったラモス瑠偉、高いキープ力と非凡なゲームメイクを見せたビスマルク、フィニッシャーの武田修宏、ハードワークをこなす北澤豪らがエレガントさを演出すれば、守備の中心である柱谷哲二やペレイラらは、守るだけでなく、攻めの起点にもなる。

 攻守にバランスが取れていて、強いだけでなく“美しく、闘える”。僕にとって堂々の1位であり、歴代最強に相応しいチームだと思う。

 当時、僕は対戦相手としてその強さを知ることができたけど、僕が所属していた清水エスパルスが“万年2位”とか“シルバーコレクター”とか呼ばれたりもしたのは、僕らの上にはいつもヴェルディがいたからだ。

 もっとも、エスパルスも団結力のある良いチームだった。特に、惜しくも2位に終わった93年のニコスシリーズでは、強かったと思う。エメルソン・レオン監督の下で鍛えられて、運動量を武器にハードワークして、勝負強くもあった。

 澤登正朗や向島建ら地元で育ったサッカー小僧たちが静岡に戻ってきて、しっかりとしたテクニックを持つエドゥーやトニーニョらブラジル人選手たちと力を合わせ、ひとつになって戦う。なかでも、(長谷川)健太の存在は大きかったね。攻撃の最大のキーマンとして、常に相手に脅威を与えていた。
 
 その健太とともに、僕は中心選手としてチームを引っ張った。同じ守備的MFの大榎克己、読売クラブでもチームメイトだった堀池巧、静岡学園高で一緒だった向島など、同期の仲間たちとプロの舞台でプレーできたことは、僕の人生において大きな自信にもつながっている。

 周りの人たちの反感を買うかもしれないけど、この93年のエスパルスを2位にしたい。

 3位に選んだ05年のジェフは、最終的にリーグは4位で終わるも最終節まで優勝の可能性を残していたし、ナビスコカップでは優勝を果たしている。ビッグクラブも手を焼くほどで、手強いチームだった。

 攻守両面で効いていたのが、佐藤勇人だ。いぶし銀の働きを見せ、守備面の高い貢献だけでなく、得点にも絡む。鮮やかなミドルシュートも印象深い。

 チームとしては、対戦相手や試合の状況に応じて柔軟にシステムを変化させてみせる。指揮を執っていたのは、イビチャ・オシム。03年のオシム監督の就任後、ジェフのサッカーは急激に変わった。コレクティブで、スピーディなリズムと独特のテンポ。これまでのサッカーを考え直させる内容だった。

 オシムのサッカーから学ぶ日本人指導者も多かったし、Jリーグに多くの影響を与えたチームだったと思う。今でも、“人とボールが動く”サッカー、“考えて走る”選手たちの躍動感は、脳裏に残っている。

※『サッカーダイジェスト』2020年6月11・25日合併号より一部転載・加筆。
【詳細情報】2020年6月11.25日合併号

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