「これまで延期、延期、延期となりましたが、日程が変わる度に準備、心構えをしてきました。サッカーにかける情熱は常に忘れずに持ってきたつもりです」

 7月4日のJ1再開に向けて力強く意気込むのは、川崎のGKチョン・ソンリョンだ。

 新型コロナウイルスの影響で、2月16日のルヴァンカップ・清水戦(〇5-1)、2月22日のリーグ開幕戦・鳥栖戦(△0-0)から、4か月以上の空白期間が続いたが、周囲から愛される守護神は常々、最善の準備を行なってきたという。

 今季から4-3-3の新布陣を採用する川崎では、最終ラインが例年以上に高く設定され、その裏の広大なスペースをカバーする仕事がGKに求められる。さらにポゼッションに加わる、足もとの技術も不可欠で、より現代的なキーパーとしての振る舞いが必要とされている。

 そのためチョン・ソンリョンにも進化が求められるが、新たな役割にも「ポジティブに捉えながら意識して練習しています」と明るく語る。

 さらにチームは活動を再開させた、ここ1か月で3つの練習試合をこなし、すべてクリーンシートを達成(〇3-0、〇5-0、〇7-0)。「監督が求めているものを、皆が少しずつ理解していると思います」と自信を覗かせる。

 再開初戦の相手は「本当に強い相手」と話す難敵・鹿島だが、「1試合ずつ決勝のような想いで臨みたい」という言葉は頼もしい限りである。
 
 ちなみに鹿島には昨季までのチームメイトCBの奈良竜樹が所属。対戦できるかは分からないが、「(川崎時代は)僕の前ですごく身体を張ってくれて、本当に偉大な選手だと思います。個人的に応援していますし、結果がどう転ぶか分かりませんが、お互いに最善を尽くして戦いたいです」とピッチの上での再会を心待ちにする。

 現在は家族が韓国に一時帰国しており、ひとりで慣れない家事をこなしているという。「料理をするタイプではなかったので、これをきっかけにご飯が炊けるようになりました」と愛くるしい笑顔を見せるGKは、今季も川崎のゴールマウスを身体を張って守ってくれるはず。再開後の数試合は無観客でのゲームとなる予定だが、その雄姿には、画面越しに多くのサポーターが声援を送るはずだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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