[J2リーグ2節]岡山2-2山口/6月27日/Cスタ

 4か月ぶりのリーグ戦に臨んだ岡山は、山口のFWイウリのパワーに苦しめられた。1点ビハインドで前半を折り返すと、後半の立ち上がりも山口にペースを握られて52分に追加点を許す。岡山は2点を追いかける苦しい展開を強いられたが、左サイドバックの徳元悠平の左足が試合の流れを一変させた。

 4分後の56分、右サイドからボールを受けた上田康太がルックアップすると、背番号41(徳元)は猛然と左サイドを駆け上がった。そして、パスを受けると冷静にキックフェイントでDFをひとり交わしてインスイングのクロスを供給。質の高いクロスに清水慎太郎が豪快に飛び込み、岡山の反撃が始まった。

 その後にイ・ヨンジェが同点ゴールを奪い2‐2で終えた試合を振り返った徳元は、「僕は2点目を取られた後も『3点取れるっしょ!』っていう気持ちだった。自分たちの力を信じていたし、もっと左から攻めてやろうと思っていました。そういう気持ちが結果につながったのかなと思います」と胸を張った。

 試合のターニングポイントとなった徳元のクロスに、右サイドバックでJ初先発を果たした松木駿之介は感嘆していた。

「トックンは上がるタイミングもいいですし、クロスの精度がすごい。僕自身も本当に学ぶところがたくさんあります」

 もっとも、大学時代までアタッカーとしてプレーしていた松木にとって、何もかもが初めてのことばかりの試合だった。松木は「人生で一番緊張しました」と苦笑いを浮かべた。

「ディフェンスラインで公式戦に出ることが人生で初めてだったので、本当に心臓が飛び出るんじゃないかっていうくらい緊張しました。これまではずっとサイドハーフやFWをやってきたので、ミスしてもいいから10本中1本を決めてやるっていう気持ちでしたけど、ディフェンスラインでプレーすることになって初めてミスが怖いなって思いました」

 素直に胸中を語ってくれた松木も、徳元同様に勝気なメンタリティを持ってファイトしたひとりだ。後半開始早々から足に異変が起き始めたが、「みんなが逆転に向かって戦っているなかで、相手に弱いところを見せて狙われたくなかった。強がってプレーしてました」。背番号23はファイティングポーズを取り続けて81分まで役目を全うしている。
 
 24歳の徳元。23歳の松木。ふたりの若いサイドバックは大きな可能性を秘めている。松木のプレー姿を逆サイドから見ていた徳元も、「マツは走れるし対人も強いのに、まだちょっと遠慮している部分がある。もっと自信を持ってやれればいいんだけど、たぶんあと1試合、2試合やれば普通にやっているでしょ」とエールを送っていた。次節はもっとアグレッシブな松木のプレー姿が見られるだろう。

 ふたりがこれからどんな成長曲線を描いていくのか楽しみだが、復帰間近の椋原健太も競争に加わってくる。大きな一歩を踏み出した松木も「本当にここからです」と、すぐに気を引き締めていた。

「もう健太君が帰ってくるし、今はマス君(増谷幸祐)も廣木君もケガをしている状況。本当に1試合1試合で結果を出さないと出れなくなってしまう世界なので、結果にこだわってチームの勝利に貢献できる選手になっていきたいと思っています」

 チームの攻撃のバリエーションを増やすためのキーポジションでもあるSBは、これから激しい競争が繰り広げられていくこと必至。ポジション争いが面白くなっていきそうだ。

取材・文●寺田弘幸(フリーライター)

【J2第2節PHOTO】岡山2−2山口|アウェーの山口が鮮やかに2点を先行。岡山は後半の連続ゴールで再開初戦を引き分けに持ち込む