サッカーの花形ポジションと言えば、ストライカーだろう。異論はあるかもしれないが、最も多くのゴールを決めることが可能なポジションであり、スター選手も多い。


 そんな彼らにも“旬”がある。20代前後で得点を量産する早熟型もいれば、30歳を過ぎてからゴールゲッターとしての才能を開花させる晩成型も存在する。リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのように10年以上にわたってトップレベルに君臨する選手はいるが、キャリアに浮き沈みはつきものだ。


 では、ストライカーのピークと言えば、何歳ぐらいなのだろうか。今回は世界最高峰とも言われるプレミアリーグで得点王に輝いた選手たちの当時の年齢を調べてみた。


 リーグ創設1年目の1992−93シーズンから昨シーズンまで、得点王に輝いたのは、のべ34選手。年齢を当該シーズンの最終節時点とした場合、彼らの平均年齢は「26.1歳」だった。年齢別では「27歳」が7選手で最多となり、「26〜29歳」が全体の約60%を占めた。プレミアリーグのデータに限るとはいえ、サッカー選手のピークとも言える20代後半はストライカーの最盛期と重なると言える。


 もちろん、若くして得点王のタイトルを獲得した選手もいる。“ワンダーボーイ”の愛称で親しまれた元イングランド代表FWマイケル・オーウェンだ。リヴァプールに所属していた1997−98シーズンに18歳で得点王に輝くと、翌シーズンもリーグトップスコアラーとなった(※両シーズン共に、他2選手との同時受賞)。実は、10代でプレミア得点王になったのは彼しかおらず、文字どおり唯一無二の存在となっている。


 一方、30代で得点王に輝いた選手も3人と意外に少ない。全体の1割以下だ。偉業を達成したのは、2008−09シーズンのニコラ・アネルカ(チェルシー/当時30歳)、2009−10シーズンのディディエ・ドログバ(チェルシー/当時32歳)、そして2010−11シーズンのディミタール・ベルバトフ(マンチェスター・U/当時30歳)である。このことから、プレミアリーグは三十路のストライカーたちにとって厳しいリーグだという見方もできる。ある程度の活躍は期待できるとはいえ、ここ10年あまり、30代の得点王が誕生していないことを考えれば、そう考えても不思議ではない。


 実際、1996年から2018年夏まで、アーセナルで監督を務めたアーセン・ヴェンゲル氏は、ポジションにはそれぞれ「最も旬な年齢」があると主張していた。ストライカーの場合は「24歳から30歳」が“適齢期”だという。今回の調査結果を見ても、あながち間違ってはいないだろう。


 しかし、今シーズンはその“定説”が覆るかもしれない。リーグ中断前の時点で得点ランキングのトップに立つのは、レスターのジェイミー・ヴァーディ。33歳のストライカーなのだ。ここまで19得点を記録しており、2位以下には2ゴール以上の差をつけている。リーグが再開することになれば、今シーズンは残り5試合程度。まだまだ安全圏とは言えないものの、“プレミア最年長得点王”になる可能性は十分にある。


 8部からプレミアリーグ、さらに11試合連続ゴールなど、ヴァーディはこれまでも数々の常識や記録を打ち破ってきた。そんな彼が得点王を獲得することができたなら、多くの人々に勇気と希望を与えることになるかもしれない。


 以下は、プレミアリーグの歴代得点王と当時の年齢。カッコ内は国籍。


[写真]=Getty Images


▼1992−93


◆テディ・シェリンガム(イングランド)



41試合/22得点 当時27歳

所属クラブ:ノッティンガム・フォレスト/トッテナム *シーズン途中に移籍


▼1993−94


◆アンディ・コール(イングランド)



40試合/34得点 当時22歳

所属クラブ:ニューカッスル


▼1994−95


◆アラン・シアラー(イングランド)



42試合/34得点 当時24歳

所属クラブ:ブラックバーン


▼1995−96


◆アラン・シアラー(イングランド)



35試合/31得点 当時25歳

所属クラブ:ブラックバーン


▼1996−97


◆アラン・シアラー(イングランド)



31試合/25得点 当時26歳

所属クラブ:ニューカッスル


▼1997−98


◆マイケル・オーウェン(イングランド)



36試合/18得点 当時18歳

所属クラブ:リヴァプール


◆クリス・サットン(イングランド)



35試合/18得点 当時25歳

所属クラブ:ブラックバーン


◆ディオン・ダブリン(イングランド)



36試合/18得点 当時29歳

所属クラブ:コヴェントリー


▼1998−99


◆マイケル・オーウェン(イングランド)



30試合/18得点 当時19歳

所属クラブ:リヴァプール


◆ジミー・フロイド・ハッセルバインク(オランダ)



36試合/18得点 当時27歳

所属クラブ:リーズ


◆ドワイト・ヨーク(トリニダード・トバゴ)



33試合/18得点 当時27歳

所属クラブ:アストンヴィラ/マンチェスター・U *シーズン途中に移籍


▼1999−00


◆ケヴィン・フィリップス(イングランド)



36試合/30得点 当時26歳

所属クラブ:サンダーランド


▼2000−01


◆ジミー・フロイト・ハッセルバインク(オランダ)



35試合/23得点 当時29歳

所属クラブ:チェルシー


▼2001−02


◆ティエリ・アンリ(フランス)



33試合/24得点 当時24歳

所属クラブ:アーセナル


▼2002−03


◆ルート・ファン・ニステルローイ(オランダ)



34試合/25得点 当時26歳

所属クラブ:マンチェスター・U


▼2003−04


◆ティエリ・アンリ(フランス)



37試合/30得点 当時26歳

所属クラブ:アーセナル


▼2004−05


◆ティエリ・アンリ(フランス)



32試合/25得点 当時27歳

所属クラブ:アーセナル


▼2005−06


◆ティエリ・アンリ(フランス)



32試合/27得点 当時28歳

所属クラブ:アーセナル


▼2006−07


◆ディディエ・ドログバ(コートジボワール)



36試合/20得点 当時29歳

所属クラブ:チェルシー


▼2007−08


◆クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)



34試合/31得点 当時23歳

所属クラブ:マンチェスター・U


▼2008−09


◆ニコラ・アネルカ(フランス)



37試合/19得点 当時30歳

所属クラブ:チェルシー


▼2009−10


◆ディディエ・ドログバ(コートジボワール)



32試合/29得点 当時32歳

所属クラブ:チェルシー


▼2010−11


◆カルロス・テベス(アルゼンチン)



31試合/20得点 当時27歳

所属クラブ:マンチェスター・C


◆ディミタール・ベルバトフ(ブルガリア)



32試合/20得点 当時30歳

所属クラブ:マンチェスター・U


▼2011−12


◆ロビン・ファン・ペルシ(オランダ)



38試合/30得点 当時28歳

所属クラブ:アーセナル


▼2012−13


◆ロビン・ファン・ペルシ(オランダ)



38試合/26得点 当時29歳

所属クラブ:マンチェスター・U


▼2013−14


◆ルイス・スアレス(ウルグアイ)



33試合/31得点 当時27歳

所属クラブ:リヴァプール


▼2014−15


◆セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン)



33試合/26得点 当時26歳

所属クラブ:マンチェスター・C


▼2015−16


◆ハリー・ケイン(イングランド)



38試合/25得点 当時22歳

所属クラブ:トッテナム


▼2016−17


◆ハリー・ケイン(イングランド)



30試合/29得点 当時23歳

所属クラブ:トッテナム


▼2017−18


◆モハメド・サラー(エジプト)



36試合/32得点 当時25歳

所属クラブ:リヴァプール


▼2018−19


◆モハメド・サラー(エジプト)



38試合/22得点 当時26歳

所属クラブ:リヴァプール


◆サディオ・マネ(セネガル)



36試合/22得点 当時27歳

所属クラブ:リヴァプール


◆ピエール・エメリク・オーバメヤン(ガボン)



36試合/22得点 当時29歳

所属クラブ:アーセナル


(記事/Footmedia)