準々決勝以降、ポルトガルの首都リスボンで集中開催されるチャンピオンズリーグ(CL)。決勝までの全ラウンドがシングルレグの一発勝負で行われる。ホームもアウェイも関係なくなった今大会の残り試合において、担当する主審の存在はこれまで以上に大きな意味を持つことになるだろう。


 そこで今回から2回にわたり、準々決勝で主審を務める4人のレフェリーをピックアップ。まずは12日のアタランタ対パリ・サンジェルマン(PSG)と13日のライプツィヒ対アトレティコ・マドリードを担当する2人の主審について、知っておきたい情報を紹介する。


◆アタランタ(イタリア) vs パリ・サンジェルマン(フランス)

主審:アントニー・テイラー(イングランド)


 初出場のCLでベスト8入りを果たしたアタランタと、1994−95以来のベスト4進出を目指すパリ・サンジェルマンの一戦で主審を務めるのは、イングランド出身のアントニー・テイラー氏だ。


 今シーズンはリーグ戦最多32試合で主審を務めるなど、プレミアリーグではお馴染みのレフェリー。今月1日には、原則として生涯1度しか務めることのできないFAカップ決勝で2度目の主審を務めた。10年前には審判交流プログラムの一環で来日し、Jリーグでも主審を務めた経験を持つ。


 2015−16からCL本戦で主審を務めており、今回の一戦が16試合目の担当となる。準々決勝で笛を吹くのはこれが初めてのこと。41歳のテイラー氏にとっても初の大舞台だ。


 CLでパリ・サンジェルマンの試合を担当するのは、4回目になる。今季はグループステージ開幕節のレアル・マドリード戦(3−0)と決勝トーナメント1回戦セカンドレグのドルトムント戦(2−0)でも主審を務めた。パリ・サンジェルマンは同主審の下ですべて完封勝利を収めており、相性は抜群と言える。


 一方、テイラー氏がアタランタの試合を裁くのは今回が初めてだが、CL本戦におけるイタリア勢との相性も悪くない。過去にユヴェントス、インテル、ローマの試合を担当し、同3チームは3勝1敗。パリ・サンジェルマンほどではないが、少なくとも“12人目の敵”となることはなさそうだ。


 なお元刑務官のテイラー氏は、このコロナ禍でNHS(イギリスの国営医療サービス)を支えるボランティア活動に従事し、大きな注目を集めた。今も病気と闘う医療従事者や患者たちの思いも背負って、準々決勝初日のゲームに臨むことになるだろう。


◆ライプツィヒ(ドイツ) vs アトレティコ・マドリード(スペイン)

主審:シモン・マルチニアク(ポーランド)


 準々決勝2日目は、2度目のCL出場で初のベスト8入りを果たしたライプツィヒと、3年ぶりの準決勝進出を狙うアトレティコ・マドリードが激突する。


 決勝トーナメント1回戦では、昨季のファイナリスト(リヴァプールとトッテナム)を撃破。勢いに乗る両チームの試合を裁くのは、ポーランド人レフェリーのシモン・マルチニアク氏だ。


 39歳にして18年の審判歴を持つベテランレフェリー。テイラーと同じように審判交流プログラムで来日し、2013年にはJリーグでも笛を吹いた。その後は着実にステップアップを果たし、ユーロ2016や2018 FIFAワールドカップ ロシアでも主審を務めた実力者である。


 CL及びヨーロッパリーグ(EL)でライプツィヒの試合を裁くのはこれが初めてとなるが、ドイツ勢を担当するのは9回目。過去8戦は5勝2分け1敗と好成績を残している。しかし唯一黒星を許した相手がアトレティコ・マドリードで、2016年9月に行われたCLグループステージの試合でバイエルンが0−1の敗戦を喫している。


 実はアトレティコ・マドリードは、マルチニアク氏との相性が抜群。前述のバイエルン戦を含め、過去に同主審が担当した4試合はすべて勝利を収めている(CL3試合と2018年のUEFAスーパーカップ)。今季の決勝トーナメント1回戦ファーストレグで、リヴァプールを1−0で下したゲームを裁いたのもマルチニアク氏だった。


 8日に実施されたPCR検査で2選手に陽性反応が出たアトレティコ・マドリード。大一番を目前に激震が走ったが、主審の発表はチームにとって追い風となりそうだ。


(記事/Footmedia)